昨年9月にここでも「姫路城入場料 市民以外は2~3倍に」という記事を書いていましたが、結局間を取って2.5倍ということで決定したようです。現在、入城料は大人一人一律1000円となっていますが、来年3月を目標に姫路市民以外はこれを2500円に値上げするとのことです。
姫路市ではこの値上げによって、入場者数の減少を差し引いて年間10億円の増収を見込んでいるとのことですが、それが本当なら姫路市民としては歓迎すべきことかもしれません。そもそも地元民はそうそう姫路城の有料ゾーンに入ることがありませんから、料金自体にあまり感心がないかもしれません。平成の修理以前の入城料が300円だった時代を含めても、私は過去に3回ほどしか入城料を払って中へ入ったことがありません。
しかし、2500円となると日本国内からの観光客は減少して、海外からの旅行者の割合が今よりもかなり高くなるのではないでしょうか。今でも外国人の姿はだいぶ目につきますが、地元民としてはそれによるマナーなどへの影響がないかが気になってしまいます。海外からわざわざ来た人にとっては1000円だろうが2500円だろうが関心があれば見に来るでしょうし、2500円は高いからという理由で来ない人はほとんどいないのではないでしょうか。
ただ、2500円という料金に見合う体験ができるかどうかは私もあまり自信がありません。姫路城の天守閣を見慣れていると他の復元天守閣などを見てもあまり興味が持てないというのは単なる地元びいきだけではないと思いますが、それでも数百円で見られる城の何倍もの価値がある体験かというのは姫路市も考えるべきところだと思います。
また、有料ゾーンだけでなく、その外側の魅力向上にももっと力を注ぐべきでしょう。姫路城で立派なのは三の丸の中だけで、その外側には城下町としての魅力がほとんどありません。ただ造作なく土産屋を何軒か並べておくだけでなく、ぶらぶら歩くだけでも楽しいような通りを作るべきだと思います。犬山城の城下町はなかなかいい雰囲気だったので、とても羨ましく感じました。
入城料の値上げは何事もなければ1年後ということで、それまでには間に合わないかもしれませんが、わざわざ来てくれる人により良い体験を持って帰ってもらうための工夫を凝らしてもらいたいものです。