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姫路観光

満喫してもらいました。

私は新卒で今の会社に入って最初の配属で来て以来、もうかれこれ25年兵庫県姫路市に住んでいます。それまでは高校の修学旅行で北陸に行った帰りに京都で新幹線に乗ったのが私にとっての日本最西端だったので、最初はいろいろカルチャーショックを感じていたものですが、さすがに25年も経って人生の半分以上をここで過ごすようになり、生まれ育った東京よりも落ち着くようになっています。

しかし、いわゆる関西からは外れの方になるので、なかなか友人が遊びに来てくれるということもありません。そんな中、最近大阪に転勤になった中学校時代の友人が城好きで、姫路城に行きたいということで、もう一人の友人と二人で遊びに来てくれることになり、一日案内というか一緒に回ることになりました。

当日は9時半に姫路駅で待ち合わせて、まず最初に何はなくとも姫路城に向かいました。週末にしょっちゅう城の前まで散歩している私も天守閣の中に入ることはあまりなく、これまででも数えるほどです。特に、平成の大修理の後、それまで300円だった登閣料が1000円に値上がりしてからはあまり気楽に行けるものではなくなりました。なお、修理直後には日本全国のみならず世界中から観光客が殺到して連日数時間待ちの列となっていたものですが、今では落ち着いて待ち時間はほぼゼロとなっているようです。また、「白過ぎ城」と揶揄されるほど真っ白に見えた天守閣も今はだいぶ自然な感じになっています。

西の丸の百間廊下と天守閣を見たあと、三の丸広場へ降りるとちょうど12時近くになっていたので、外堀の内側にある私の行きつけのカレー店、Spiceスエヒロで昼食を摂りました。こちらのカレーは極力油を抑えて作っているとのことで、とても優しい感じで野菜の甘味が活かされたものになっています。特別辛いわけでもないのに体の内側から熱くなって汗が吹き出してくるのはスパイスの効果でしょう。

カレーのあとは姫路第二の観光スポット、書寫山圓教寺へと向かいました。西の比叡山と呼ばれる格式の高い寺で、弁慶が修行したとも言われているとのことですが、近年では「ラストサムライ」「本能寺ホテル」「関ヶ原」といった映画や、NHK大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」「軍師官兵衛」の撮影が行われました。姫路市の北西部にあり、姫路駅からはバスで30分ほどの山麓からロープウェイに乗ることができます。このバスとロープウェイのセット券を神姫バスの姫路駅前案内所で購入しておくと少々割安で、一度に購入しておけるので便利なので、今回も予め購入しておいて利用しました。ロープウェイを降りてからはちょっとした上り坂がありますが、足腰に自身のない人はマイクロバスに乗ることも可能です。

姫路城に比べると書写山はまだあまり知られていないのかひっそりとしていますが、下界の喧騒から離れて鳥や虫の鳴き声を聞きながらゆったりと過ごすことができ、時間の流れを忘れることができます。また、舞台造りの摩尼殿や、大講堂、食堂、常行堂からなる三之堂など重厚な木造の伽藍などは国の重要文化財に指定されており、歴史の重みを感じさせる見事なものばかりです。これらは京都の下手な寺社よりも見応えのあるものだと思うので、もっと宣伝してもいいのではないでしょうか。

書写山で一通り見て回ったあとは下山してバスで姫路駅前に戻り、天然氷のかき氷 ひめじ官兵衛堂でかき氷を食べて一休みすることにしました。このお店は以前は姫路市南部の離れたところにあったのですが、一昨年に姫路随一の商店街であるみゆき通り商店街に移転したため、行きやすくなりました。その分夏場の行列は激しくなっていますが、この時期であればまだそれほどでもなく、この日は私達の前に4組ほど待っていた程度で、15分ほどで席につくことができたかと思います。私はこちらで「まさかのバレンタイン」という中年のおじさんには注文しづらい名前のものを食べ、これもとても美味しかったのですが、それ以上に友人の「いちごみるく」はフレッシュないちごが使われていてさらに美味しかったです。

ということで、このあとはもう6時近くになっていたので友人らも帰途に就きましたが、姫路を楽しんでもらえたようで良かったです。私自身も一人では天守閣には登りませんし、ひめじ官兵衛堂はさすがに一人では入りづらいので良い機会でしたし、何より古い友人らと気を使わずに話ができてとても楽しかったです。さらに、この記事がこれから姫路を訪れようとしている方の参考になれば何よりです。

太陽公園 白鳥城

本物も多少浮いてますが…

姫路といえば白鷺城こと世界遺産姫路城というのは誰に聞いても同じかと思いますが、実は姫路にはもう一つの城があります。それは2009年に完成した「白鳥城」という、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城をモチーフにした西洋風のものです。この白鳥城は太陽公園というテーマパークの中にあるのですが、私が太陽公園に行ったのは城の工事中だった2008年のことで、城が完成してからは近くを通る度にその威容を眺めてはいましたが、間近で見たことはなかったのでした。そこで今日、午後は暇だったのでまたちょっと自転車に乗ってこよう、と自宅から8kmほどなので行ってみることにしたのでした。

以前は白鳥城がある「城のエリア」と世界中の石像のレプリカが並ぶ「石のエリア」とで入場料が別れていたような気がするのですが、行ってみると両方共通で1300円となかなかの値段で、城までのモノレールの料金が含まれているとのことでした。今回はふらっと行ってみただけですし、外から見るだけでもいいかなと思ったのですが、まあせっかく来たことだし珍スポットも中を見ないと語れない、ということで入ってみることにしました。

モノレールというのは嘉穂製作所というところが作っているスロープカーというものだそうで、40人乗りのものが2両連結されているという、この手のものにしては大型のものです。これが20分おきに往復していて、乗車時間は約3分となっているのですが、城が山の上にあり歩いて登るにはなかなか急なので、少なくとも上りは乗った方がいいでしょう。上側の車両が城の方を向き、下側は麓の方を見下ろすような形になっていますが、私が乗ったのは下側の車両です。

山上でモノレールを降りて城の入口の方に歩いて行ってみると門がありますが、なかなかそれっぽくできています。ただ全体的に小さく見えるのは気のせいではなく、ノイシュヴァンシュタイン城の3分の2のスケールになっているとのことです。まあうまく写真を撮ればわからないのではないでしょうか。城の中へ入ってしまうと完全な現代のプレハブ建築の内装で、趣もへったくれもないという感じなのは非常に残念です。ただ、内部はイベントスペースのような感じになっていて、今は「服部正志の3Dトリックアート展」なるものをやっていました。さすがに一人では盛り上がれないので、私はこれらをまったく見ずに素通りしてしまいましたが、家族連れやカップルは楽しんでいるようでした。

ということで、結局外で見るだけで十分だったような気もしますが、やっぱり入ってみないとそれも言えませんからね。しかし、オリジナルのノイシュヴァンシュタイン城も実は鉄骨とコンクリート、モルタルでできているということですから、多少古いだけで大差ないのかもしれません。そう聞いてしまうとわざわざ観に行くほどのものでもないような気がしてしまいますが、コンクリートだろうが石だろうが何でできているかで価値が決まるようなものではありませんよね。

竹田城跡

そこにないからこその良さもある。

世の中にはいろいろなもののマニアがいて、なかなか理解できなかったりする場合もありますが、私の職場に「城跡マニア」だという人がいます。初めに聞いたときには「城」ではなく「城跡」なのだと言うので「そんなマニアもいるのか」と驚いたものですが、よく良く考えてみれば日本にまともに残っている城は限られた数でしかありませんし、その残っているものにしても城として使われているわけではないので城跡のうちと言えるでしょう。また、実は城跡マニアという人はそう珍しいものではないらしいということもわかりました。

さて、その職場の城跡マニアですが、全国の城跡を数百箇所も廻っているそうなのですが、その中でも一番のおすすめは兵庫県朝来市にある竹田城跡なのだそうです。自宅から目と鼻の先、県内のそんな近くにあるところが一番というのは単に行きやすいからなのかと思ってしまいましたが、決してそういうわけではないと言います。また、その後調べてみるとたしかにその評判は高いようなので、ぜひ一度行ってみなければと思い続けて何年も経ってしまったのですが、つい先日目的もなく休暇を取った時にふと思い立って一人で行ってきました。

この竹田城は和田山の市街地から高く見上げる山の頂にあり、秋から冬にかけては眼下に雲海が広がるため、その幻想的な眺めから「天空の城」とも呼ばれています。今回は時季的にその光景を見ることはできませんが、新緑の鮮やかな季節なのでそれはそれで良いのではないかと思います。当日は空が青く晴れ渡った気持ちのいい天気だったので、途中コンビニで弁当を買ってその眺めの良い山頂で昼食にしよう、と11時頃に駐車場に到着したのですが、さすがに平日だったので停まっている車は3台だけで、ひっそりとした雰囲気でした。

駐車場からは少々急な山道になっている近道と、舗装された車道になっている回り道とがあるのですが、山歩きに慣れている人、あるいは特に山歩きをしたいという人でなければ大手門跡に回る回り道の方がおすすめです。私は行きはのんびり回り道で、帰りはさっさと近道で戻ることにしたのですが、回り道と言っても15分程度のものですし、帰りに近道ですれ違う人たちはみなゼエゼエいって大変そうで休み休み登っていましたから、距離的な差は大きくても時間差は5分ほどのものではないでしょうか。

もうひとつの注意点は、上に登ってしまうと案内表示が全くないので、元来た道以外はどちらへ行くと駐車場へ戻ることができるのかわからないということです。下へ降りるような道はいくつかあるのですが、へたをすると城下の竹田駅の方まで降りることになってしまうのではないかとビクビクしてしまいました。結局私は人が歩いてくる方向をたどって見つけた道で、登ってくる人に確認したのですが、たまたま誰も来ない時だったら元の道を戻るのが賢明だったでしょう。

さて、戻るときの話を先にしてしまいましたが、大手門にたどり着き、そこから青空を背景に見上げる石垣にはちょっとゾクゾクきてしまいました。その時点で「これか!」という感じだったのですが、さらに上がっていって眼下の景色とともに天守台が見えると、爽やかな風が吹いているのもあって実に爽快なものです。天守台に登ると今度は山の地形に合わせて作られた曲輪と、その後ろに円山川沿いの家々や道路が見えて、自分が何かを征服したかのような気分になれます。

その後私は南千畳の先端の眺めのいいところで昼食にしましたが、大して美味しいわけでもないコンビニ弁当もこういう所で食べると格別です。ちょっと天気が良すぎてじっと座っていても汗ばむほどでしたが、澄んだ空気と風が心地よく、ピクニックには格好のスポットでしょう。実際週末にはもっと沢山の人が来るでしょうし、12時を過ぎる頃には続々と人が上がってきていました。

ということで、今回はひとりで行ってきたのですが、次回は家族を連れて、ちょっと下の方からハイキングを兼ねて行ってみるといいのではないかと思っています。竹田駅のすぐ裏から登山道が始まっているので、たまには鉄道でのんびり行ってみるのもいいかもしれません。

上からの眺めは何しろ爽快で、やはり城跡マニア一番のおすすめだというだけのことはありました。私からもおすすめします。