今日ちょっと驚いたニュースですが、JIJI.COMに「デンマーク、手紙配達を廃止 今年末で、郵便ポストも撤去」という記事が掲載されました。デンマークで郵便事業を行っているpostnord2025年末に手紙の配達をやめるというもので、デジタル化によって取扱量が急減して2000年と比較して90%減となったのに対し、オンラインショッピングの普及によって小包の取扱量が増えているため、小包に注力するとのことです。

これだけを読んで「さすが北欧は大胆だな」と私はなんとなく感心してしまったのですが、実はその後で記事が更新されて、現在の最終段落が追加されました(下記)。

ダニエルセン運輸相は、他の業者によって手紙の送付や受領は引き続き行われると説明。郵便法の改正により、ポストノルドは昨年、ユニバーサルサービスの義務がなくなった。

要するに、手紙が廃止されるわけではなく、他の事業者に移管されるというだけのことだったわけです。今のところ見出しは変更されておらず、「デンマーク、手紙配達を廃止」となっていますが、そういうことではなかったのでした。これはだいぶ話が違って来ます。時事通信ももうわざわざ自分たちが報じるほどのニュースではないと考えているのではないでしょうか。

しかし、日本では日本郵便が郵便事業を行っていますが、これも郵便法で「日本郵便株式会社が行う」と定められているから行っているだけのことで、かつては他の事業者が参入したいと思ってもできないものでしたが、もはややめたくてもやめられないものになりつつあるのかもしれません。郵便料金は昨年大きな値上げが行われましたが、それによってますます需要が減るでしょうし、そうでなくとも若い人は手紙などほとんど書かなくなっているのではないでしょうか。

紙の手紙には温かみのようなものがあるとは思うので私も否定はしませんが、それを得たければ相応の、大きなコストを負担しなければならないという時代が、もうすぐそこまで来ているように思います。