滞在中のiPhoneの通信のためにこれまで2回の台湾旅行では、台湾の桃園国際空港に到着してから空港の到着ロビーにある売り場でSIMを購入して利用してきました。3泊4日の旅行でうっかり4日分購入してしまっていたのですが、実際は72時間でいいはずなので3日間の分で良かったのだと思います。その4日分のSIMでも4Gの通信量無制限のプランで300TWDほど(1500円弱)なので特に高いわけでもありませんし、その場で係の人がSIMを入れ替えて設定してくれるので楽ちんです。
一方、今回の3回目の一人旅ではKKdayという台湾ベースの旅行関連企業のサービスで格安のeSIMを購入して利用してみることにしました。これは日本にいる時点であらかじめ期日を指定して購入しておいて、当日台湾に到着した時点でKKdayのアプリを操作すると簡単にeSIMが追加できるので、すぐに使い始められるというものです。価格は3日間の5G通信量無制限プランで1090円なので、空港で購入するSIMよりもちょっと安いという程度かと思います。
しかしこの格安eSIMがちょっとした曲者でした。私はしっかり説明を見ずに使い始めようとしたので使い始めようとしてから「あれ?」となったのですが、このeSIMを使って台湾でデータ通信するためにはローミングを有効にする必要があるのです。それはどういうことかというと、このeSIMは商品名に「中華電信」」と入っていますが中華電信の電波を使っているだけで、Hutchsonという香港の通信会社の回線を中華電信のローミングで使用するというものなのです。
これによってどういう問題があるかというと、インターネットへの接続が香港経由となるため、検索やYouTubeなどのGoogleのサービスではロゴの右に「HK」という文字が表示されることになります。これ自体は特に問題ないのですが、大陸中国では提供されていないサービスが利用できないということになり、私は現地で見ようと思っていたNotebookLMのページにまとめていた裡小楼小料理のメニューが見られなかったり、ChatGPTが「あなたの地域ではChatGPTを利用できません。」となって使えなかったりと不都合がありました。まあこれらのサービスは普通の人が旅先で見ようと思うようなものではないかもしれませんし、通信速度自体は特に不満を感じないレベルだったので実用的には問題ないのかもしれませんが、私には少々ストレスの溜まる状態でした。
一番気になるのは香港を経由することで中国共産党の検閲を受ける危険はないのかということです。「六四天安門」などと検索したりしたらどういう結果になるのか試してみれば良かったのかもしれませんが、幸か不幸か思いつかなかったので試しませんでした。私が使ってみた中では、サービス側で提供していないというものの他には接続がブロックされるページなどはなかったので心配ないのかもしれませんが、どうしても気になってしまいました。
ということで、安かろう悪かろうというほどのものではありませんが、安いものには訳があるということではありそうです。ローミングの方が安く上がるというのもちょっと不思議なものですが、何かカラクリがあるのでしょう。それもまた良からぬもののような気がしてしまいますが。