この記事を書いている2時間ほど前のことですが、夕方まで仕事をした後、いつものようにウォーキングをしていて、なだらかなカーブが続くところを歩いていたところです。道路の右側を歩いていたのですが、こちらに向かって走ってくる車が左、つまり私がいる方に急に寄ったと思ったら、私の後ろから走ってきた車がノーブレーキでその車の運転席ドアのあたりに突っ込み、それぞれその場で停止しました。突っ込んだ方の運転手はすぐ降りてきたので、ちょっと動転している風でしたが警察に電話するように促しました。ぶつかられた方の運転手も意識はあるようでしたが、衝撃ですぐには動けない様子で、降りてくるまでしばらくかかったものの、大きな怪我はなさそうでした。
私はその時点で一旦現場を離れたのですが、周りには他に誰もいなかったので第三者の目撃証言も必要かもしれないと思い、しばらくして現場に戻ったところ、間もなく救急車が到着しました。運転手は軽い怪我をしたようでしたが、自分で病院に行くと言って救急車には乗らなかったようです。その後さらにしばらく待つと警察が来たのですが、突っ込んだ方の運転手が居眠りを認めていたので揉めることもないだろうと思い、私は簡単に事故の状況を説明して連絡先を伝え、帰宅しました。
居眠り運転による事故の現場というのは初めて間近で見ましたが、それほどスピードが出ていたわけでなくともノーブレーキでぶつかるとその衝撃は大きく、衝突の直後には両方の車が浮き上がったように見えました。ぶつかられた方の車はサイドエアバッグを展開していましたが、運転手が頭に怪我をしなかったのはそのおかげではないでしょうか。
しかし後で恐ろしいと思ったのは、もしこの居眠り運転の車が現場に差し掛かるのが30秒程度遅かったとしたら、車が突っ込んだあたりは私が歩いていたはずで、その時対向車もなかったので、結構高い確率で私の命は無かったのではないかということです。歩いているところに後ろからノーブレーキで突っ込まれたらさすがに避けようもありませんし、ほかに歩いている人もいなかったので目撃者もないまま、動転した運転手がどうしていただろうかと考えるとゾッとします。
私が運転免許を取った1990年頃は年間の交通事故死者数が11000人を超えていました(PDF)が、昨年の死者数(PDF)はなんと1/4以下の2663人にまで減っているということです。これは技術の進歩の非常に素晴らしい結果と言えることは間違いありませんが、それでもそれだけの人が不慮の死を遂げているということはなんとかしたい事実です。私が目撃したような事故も自動運転や自動ブレーキ、LKASなどによって防げたかもしれません。現在のLKASは自動車専用道路で使うことを前提としているものが多いと思いますが、これも技術がさらに進歩すれば常時作動するようなものにできる可能性があります。この死者数をゼロにするというのは難しいでしょうが、いつかは千人を切り、その先にいつかは五百人、百人を切り、と限りなくゼロに近づけていって欲しいものです。