先日見に行ってきた大阪・関西万博では、パビリオンの入場予約についていろいろ文句を言ってしまいましたが、そうした状況でも、月曜日には予約が必要なパビリオンのうち2つを見ることができました。
まず一つめはハンガリーパビリオンで、これは7日前抽選で唯一当選したものです。美しいハンガリー民謡を聴かせて魅せてくれるショーになっていて、演出自体はそれほど凝ったものではありませんが、歌声には迫力があり、衣装も美しく、非常に見応えも聴き応えもありました。もちろん私もハンガリー民謡には何の知識も持ち合わせていませんでしたが、なかなか感動的なものでした。
もう一つ見ることができたのは、シグネチャーパビリオンの一つ、null2です。これは当日、iPhoneで必死に予約しようとしていて偶然予約できたもので、閉場直前の遅い時間帯でした。落合陽一プロデュースということで、この落合氏についても私は何も知らなかったので調べてしまいましたが、若くしてさまざまな肩書を持っている人なのですね。演出内容にはダイアログモードとインスタレーションモードとがあって、だいぶ異なるもののようですが選ぶことはできず、私たちが見ることができたのは10分間のインスタレーションモードでした。こちらは「人工生命が自律生成される」というような説明でしたが、音と映像による現代アートの一種と私は解釈しました。しかしそれよりも天井に設置されたロボットアームの動きが気になってしまい、素直に鑑賞することができなかったのは何かの性(さが)なので仕方ありません。
2日目の火曜日に見ることができたのは飯田グループ×大阪公立大学共同出展館、BLUE OCEAN DOME、TECH WORLDの3つです。初めの2つは当日予約を取ることができたので見てみたのですが、共同出展館の方は未来の住宅をテーマにした展示で、まるで学園祭のパネル展示のようなものでした。BLUE OCEAN DOMEは海洋プラスチックの問題をテーマにしたもので、大きな半球スクリーンに投影される映像ショーでした。
TECH WORLDというのは台湾が国際的な配慮から国名を隠して大屋根リングの外の企業ゾーンに出店しているパビリオンですが、内容としては台湾の魅力を伝えるものになっています。予約は取れなかったのですが、タイミングよく当日入場の列に並ぶことができました。入場時には腕時計式の心拍計を渡されて、ライフ、ネイチャー、フューチャーという場内の3つのゾーンのうちのどこで一番心拍が上がるか、つまりどこで一番興奮したかによって、それに応じた台湾国内のおすすめスポットを教えてくれるという仕掛けになっています。私はやはりフューチャーのゾーンの心拍が高かったようですが、なぜか新化果菜市場、台湾文学館、十鼓文創園区といういずれも台南の3か所をすすめられました。まあ次の訪台時は台南と高雄に行こうと考えているので、参考にしたいと思います。
この他にもトルコとアルジェリアのパビリオンはほとんど並ばないで良かったので見ましたし、小さなブースをまとめたコモンズというのも見て回りましたが、展示の内容そのものだけでなく、それぞれの国で掛けられる予算の違いにいろいろと考えさせられるものがありました。本当は万国博覧会というからには、おそらく一生行くことができないような国のパビリオンを見るのが楽しいのだと思いますが、人気のパビリオンには長い列ができていたり、予約が必須であったりと見ることができなかったのが残念です。しかしそれでも、期待以上の数のパビリオンに入場できたので、それなりに満足しました。