コロナ禍で一般的となった在宅勤務をされている方にはお馴染みですが、インターネット上の通信を暗号化してあたかも社内のネットワークに直接接続しているかのような通信環境を実現するのがVPNです。このVPNの構築には以前は専門的で面倒な設定が必要でしたが、これを一気に簡単なものにしてしまったのがTailscaleというものです。Google出身のエンジニアらによって設立された同名のTailscale Inc.が提供するサービスですが、WireGuardというプロトコルを利用したVPN接続を設定なしに利用できるようにパッケージ化してしまいました。

各種のOSで動作するソフトウェアが無料でダウンロードでき、Personalプランでは3名までのユーザーで100台までの機器の接続を無料で使用できてしまいます。Personal Plusプランでは6名までのユーザーで月5ドル、それ以上になると企業向けプランとなり、接続する機器の数によって1ユーザーあたり月6ドルまたは18ドルとなっています。業務で使用する場合にはそれなりの出費が必要となりそうですが、個人で使用するのであれば100台までというのは実質的に無制限に近いのではないでしょうか。

私は先日までメインで使っていたMac miniをファイルサーバーとして自宅で使っているのですが、このMac miniに接続したハードディスクに入っている画像などに出先からアクセスしたいと思った時に、VPNを使えばいいのではないかということで調べてみて、Tailscaleを試してみたところ驚くほど簡単快適でした。Tailscaleのウェブサイトで登録してからアプリケーションをダウンロード・インストールして起動し、ログインすると自動的にネットワークが設定されます。あとは接続したい機器にそれぞれアプリケーションをインストールしてログインすれば、それだけでVPN環境が構築されてしまうのです。従来のVPNでは必要だった、ルーターのポート設定なども全く必要なく、外部からの接続も可能になります。

この簡便さは革命的と言っていいのではないでしょうか。Tailscaleの接続により、macOSのFinderでのファイルブラウズだけでなく、sshでのリモートログイン、画面共有も利用でき、自在に遠隔操作できるようになりました。もはやUSB接続など物理的なアクセスができないという以外は、自宅で操作しているのと何ら変わりなく使えるのではないかと思います。

このような使い方が誰にでも必要なものとは思いませんが、自宅に複数のPCなどがあって、それらを遠隔地でも使いたいという人は試してみる価値があるのではないでしょうか。少しでもVPNを試してみたいと思った人にとっては決定版と言っていいと思います。