今では銀塩にしろデジタルにしろカメラがオートフォーカスなのは当たり前で、携帯電話のカメラにさえオートフォーカスのものがあるような時代ですが、20年前までは一眼レフのカメラはごく一部のモデルを除いてマニュアルフォーカスでした。そういう状況の中で1985年に「α-7000」というモデルを投入し、一眼レフにもオートフォーカスを爆発的に普及させたのは当時のミノルタでした。

そのミノルタもデジタル化の波に乗ることができず、デジタルカメラの開発では遅れをとってしまい業績が悪化したのか、同じく写真業界でデジカメの普及により苦しくなったコニカと2003年に合併し、今ではコニカミノルタという会社になっています。昨年になってようやく「α-7 Digital」というデジタル一眼レフカメラを投入することができたようですが、このカメラはボディ内に手ブレ補正機構を備えているということで、それが高く評価されてカメラグランプリ2005を受賞しているようです。レンズ側ではなくボディ側に補正機構を搭載することにより、これまでのレンズ資産をそのまま活かすことができるというのは確かに魅力的なことです。

この手ブレ補正機構に注目したのか、これまで20年間のレンズ資産に魅力を感じたのか、ソニーがコニカミノルタとαマウントのデジタル一眼レフカメラの共同開発に合意したと発表しました。これまでソニーはサイバーショットなどのコンパクトデジカメで人気を誇っていましたが、独自のマウントシステムを新規に開発することは難しく、一眼レフへの参入は果たしていませんでした。一方コニカミノルタの方はαシステムのレンズ資産を持っているもののデジカメ開発は出遅れてしまい、他社に水をあけられたような状態でした。この両社が組むことで互いの弱点を補完できることになりますが、ニコンとキヤノンの二強が大きなシェアを握るこの市場でどれだけの地位を確保することができるでしょうか。

一眼レフのレンズは一度ある程度揃えてしまうと他のマウントに移行することはそう簡単ではないので他社のユーザを奪うことは難しいでしょうが、これまでデジタル化に踏み切ることができなかったαシリーズのユーザが手を伸ばすきっかけにはなるかもしれません。私自身はペンタックス派なので関係のない話ではあるのですが、カメラ業界が活性化するようであれば歓迎したいと思います。

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