赤十字人間が生存する上で必要不可欠な血液というものは、代用血液や人工血液の研究も行われているものの未だ実用化にはほど遠く、人間の体内、骨髄で生産するほかありません。このため、輸血用の血液を集めるためにははどうしても献血という方法に頼らざるを得ませんが、厚生労働省の「若年層献血意識調査」によるとなんと献血経験のない若者の4人に1人は献血自体を知らなかったということが明らかになったそうです。

私には一体どういう環境で成長すると献血を知らないまま大きくなることができるのかが全く想像もできませんが、これもよく言われる若者の「無関心」が原因なのでしょうか。比較的大きな繁華街の中心部には献血ルームがありますし、駅や運転免許センターの前や大きなイベント会場などには献血車が横付けされて広く献血を呼びかけていると思うのですが、それが全く目に入っていないということになります。私の職場にも毎年献血車が出張してきて、総務から従業員に協力を呼びかけているので私も一度400ccの献血をしたことがあるのですが、その時は血を抜くスピードが速すぎたためか貧血で気を失い、業務時間中だというのに1時間ほど意識がなくなっていたという苦い思い出があります。

私の妻が長男を出産した際、子宮からの出血が激しく合計2リットルほどもの輸血をして助かったということもあるため、その後もできれば献血に協力したいとは思っているのですが、クロイツフェルト・ヤコブ病感染のおそれがあるということで「1980年から1996年の間に英国に1日以上滞在された方からの献血見合わせ措置」により、1983年からイギリスに住んでいた私は残念ながら献血することができないということになってしまいました。また妻についても一度輸血を受けた人は献血できないことになっていますので恩返しということもできないのです。こういう言い方をするのもアレですが、先に借りを作ってしまうとどうしても返すことができないシステムなので、まだお世話になっていないという人もいつそういう事態が自分の身に降りかかるかはわかりませんから、貸しは作れるうちに作っておくべきだと思います。

献血をするとジュースやお菓子がもらえたり、色々なサービスが受けられたりするということもあって、献血が趣味という人もそれなりにいるようですね。しかし、そういうあの手この手のサービスで何とか献血してもらおうというのはどうも違うような気がしてなりません。できない私が言うのも何ですが、献血というのはもっと純真な、文字通り献身的なものであって欲しいような気がするのですが、そういうのはやはり受け入れられるものではないのでしょうね。血液センターにしてみれば何でもいいから献血してもらわないことにはどうしようもありませんから今後も色々知恵を絞ってくることでしょうが、知らないなどと言う人が1/4もいるというようなことにならないよう、学校教育の場でも献血の重要性を訴えるということも必要なのではないでしょうか。

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