昨日7月1日、奈良県立医科大学から「備蓄・緊急投与が可能な人工赤血球製剤の製造および、第一相臨床試験を奈良県立医科大学附属病院で実施」というプレスリリースが出されました。

保存期間を過ぎて廃棄処理となった献血からヘモグロビンを抽出し、それを脂質の膜で包んで人口赤血球としたもので、もとの赤血球膜を除去しているためにその表面や内部にある抗原が取り除かれているため、血液型を問わずに輸血することができるのだそうです。また、室温で2年、冷蔵で5年間も持つため備蓄しておくことができ、しかも1種類だけでいいということになります。

今回の発表は臨床試験を開始するというもので、実用化への一歩ということになりますが、これがこのままうまく行けば事故などによる死亡者をだいぶ減らすことができるようになるのではないでしょうか。これに合わせて、医療従事者以外でも安全に輸血できるような技術が開発されれば、例えばパトカーや学校などに常備しておいて利用するようなこともできるようになるかもしれません。

実際にこの人工血液が実用化され普及するまでにはだいぶ時間がかかるのかもしれませんが、こういった素晴らしい技術がまだ日本で生まれているというのは誇らしく素晴らしいことではないでしょうか。