いわゆるAI、つまりCNNを用いたMLによるLLMなど…というとなんのことやらですが、私も以前記事にしたChatGPTや画像生成のStable Diffusionなどを含むものは、果たして人工知能なのでしょうか。もちろん、AIという頭字語がArtificial Intelligence (=人工知能)を表しているということは承知の上で、

Is Artificial Intelligence actually artificial “intelligence”?

ということを言っています。

これはつまり「知能とは何か」という問題でもあり、言い方を変えれば「人工知能に何を求めるか」という話でもあります。

知能 = Intelligence とは言いますが、「知能」というものの定義や捉え方も人によって差があるのではないでしょうか。多くの人は漠然とした「考える力」というような意味で捉えているような気がしますが、動物で考えてみても猿やイルカには知能があるとされていますが、犬や猫もある程度飼い主のいうことを聞くのであるとしてもいいでしょう。では、ハムスターはどうでしょう。あるいは哺乳類以外はどうでしょうか。

また、たとえばChatGPTは猿よりも人間らしい答えを返してくれるように見えます。それならChatGPTは間違いなく人工知能と言えるのでしょうか。でもそう簡単な話ではありませんよね。

いわゆるAIというものを雑に説明すると、今のところ量は膨大かもしれないけれど過去のデータから法則を見つけ出して、それに基づいて新しい入力からそれらしい出力を取り出しているものに過ぎません。知能というのはそれだけのものでしょうか。いえ、もしかしたらそれだけのものなのかもしれません。

先日国連で「持続可能な発展に寄与する安全でセキュアで信頼できるAIシステムの推進に関する決議」が採択されたとのことですが、果たして今のAIは人工知能と言えるのか、まだ言えないならもう注意しなければならないような近い所まで来ているのか、どうなのだろうと思ってダラダラと書いてしまいました。私自身としては今後特にブレークスルーもないまま5年10年経ったとしてもいわゆるシンギュラリティを迎えることはなく、私が生きている間にもないだろうな、と思っています。でも子供の頃は夢物語だろうと思っていいた完全自動運転の自動車が一般的になる日は来るでしょうか。

ちなみにCNNというのは私の大学時代に同じ研究室にいた同級生がニューラルネットワークを用いた文字認識を卒論のテーマにしていたので私もちょっとかじったのですが、その時から規模が巨大になっただけで基本的なところはほとんど変わっていないのではないかと思っています。それがちょうど30年ほど前のことですが、周辺技術の進歩で演算速度や記憶容量が劇的に高速化・大容量化されたためにできることも大幅に「知能」に近づいたようにも見えるので、それならさらにあと30年経ったら相当すごいことになっていそうではあります。まあ30年後には多分私はいませんけどね…