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Amorno Bluetoothイヤホン

ここにも着実な技術の進歩が。

今年のはじめ頃に通勤時にPodcastを聞くためにDITONGというブランドのワイヤレスヘッドセットを購入したということを書きましたが、当初は調子よく使えていたこの製品もしばらく経つと徐々に動きが怪しくなってきました。顕著なのはBluetoothの接続性で、電源を入れても一発で繋がらないことが多く、何度か電源のON/OFFを繰り返してようやく使えるようになるという状態になってしまい、快適とは程遠く、時間的なロスにもなっていたので買い換えることにしてしまいました。もともと2000円と安いものでしたし、気に入らなければ買い換えようということだったので想定の範囲内だったと言えます。

今度はどれにしようかと再びAmazonを見てみると、半年余りの間にまた新しい製品もたくさん出てきていて、また選ぶのに困ってしまいます。私の条件を列挙すると、片耳タイプであること、通話は必要ないのでマイクの性能は求めないこと、できる限りコンパクトであること、バッテリーは4時間程度以上持つこと、充電が容易なこと、といったことになるでしょうか。これらの条件を満たす中でできるだけファッショナブルなものとして選んだのが、Amornoというよくわからないいかにも中国メーカーらしいブランドの製品です。まあ、一昔前は(今でも)日本のメーカーだって横文字なら何でもいいのかというくらい酷いブランド名を付けていたものですが。

【進化版Bluetooth IP68完全防水】Bluetooth イヤホン 片耳 完全 ワイヤレス イヤホン Amorno ブルートゥース イヤホン Hi-Fi 高音質 ノイズキャンセリング マイク内蔵 iPhone & Android適用 (最新モデル)

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購入してからすでに1ヶ月あまり使用しているのですが、これまでのところではすこぶる快調です。何より嬉しいのはBluetoothの接続が圧倒的に速いということで、電源を入れると音声で”Power on”と言うのですが、その直後に間髪入れず”Device connected”と接続が確立したことを知らせてくれます。これだけでも目下の不満は解消されているのですが、その他に嬉しいのは防水なので雨でも安心、コンパクトでポケットに入れておいてもかさばらない、といったことが挙げられます。

また、非常にコンパクトなボディですが、バッテリーの持ちは私の往復の通勤とちょっとした寄り道程度なら不安なく使えるくらいには十分です。先日の出張時には途中で切れてしまいましたが、それまでに5時間ほど使っていたと思うので仕方ないでしょう。ただ、毎日帰宅後に充電することは必要なようですが、充電用アタッチメントとは磁石で吸着するので、たいした煩わしさはありません。充電時間は数十分でしょうか。

私はなぜか色々なサイズのイヤーチップを持っているので、耳にフィットするものに交換して使用していますが、購入すると3種類のイヤーチップが付属しているのでそれらを使えばよいでしょう。また、ソフトケースも付属しているので、充電器と一緒に持ち歩く場合に便利かと思います。

装着感としては、歩いているだけで落ちそうになることはありませんが、耳までかぶっているビーニーを脱ぐときに一緒に外れてしまい、地面に落としてしまうということがありました。重さはないので直ちに壊れるということはないでしょうが、それ以来気をつけるようにしています。

ということで、通話はしていないのでマイクの性能などはわかりませんが、それ以外では今のところ特に不満らしい不満もありません。操作できるスイッチは電源と応答を兼ねたボタン1つだけなので音量調節などはできませんが、スマートフォン本体で操作すればすむことですし、私はPebbleでも操作できるので特に音量やスキップのためのスイッチの必要性は感じていません。ただ、長押しで電源を切るのですが、押す時間が微妙に短くてSiriが起動してしまうことがままあり、その点はちょっと厄介ではありますが…まあそれくらいです。

FitEar Parterre

まさに桁違い。感動しました。

私が高校に入学した時、最初の席順で私の前に座っていた男がいます。男子校なので最前列でなければそれは当然です。その彼は中学時代を海外で過ごして帰国した直後の心細い私となぜか親しくしてくれた、というより誰とも別け隔てなく接していただけのようにも思いますが、当時から何かただ者ではないと感じていました。その後二年生からはクラスも別になり、同じ大学でも彼は文系に進んだのでしばらくは特に交流も無くなっていました。

しばらく経って、彼の名前を見つけたのはインターネットのどこかだったと思います。新しいMacをいち早く分解して公表し、また様々な改造を施していることで一部で有名となっていたのです。名前を隠す意味が無いので書いてしまいますが、彼こと須山君はお父様の経営されていた歯科技工の会社、須山歯研で働いているようだったのですが、その会社の一見何の変哲もないホームページを下にスクロールしていくと、事業とはほぼ無関係のそれらMac関連の記事が書かれているという妙な状態でした。現在もそれらの記事は「はい、須山歯研です! Classics」というページにまとめられています。

その須山君も現在はお父様の後を継いで社長となっています。須山歯研では創業当初からの歯科技工に加え、その精密技術を活かして同じ医療機器分野である補聴器を事業として進めているようなのですが、近年はさらにその補聴器のイヤーモールド(耳型成形)技術を活かし、FitEarというブランドでプロ用と高級オーディオ機器としてのインイヤーモニター(イヤモニ)にも力を入れているようです。プロ用の方は数多くの著名ミュージシャンが愛用しているようですが、オーディオ用の方も非常に高い評価を得ているようです。

プロ用はもとより、オーディオ用の方も高級機では購入者の耳型を取り、耳にぴったり合う形状のシェルを制作するオーダーメイドとなっており、それにより非常に高い遮音性と快適な装用感が得られるようになっています。しかし、この場合どうしてもコストが高くなってしまいますし、採寸の手間もかかってしまうということで一般的なイヤーホン同様のユニバーサルタイプも用意されており、こちらの評価も高いものになっています。今回私はこれらユニバーサルタイプのうちParterre (パルテール)という製品を手にする幸運に恵まれました。実は実際手元に届いたのはもう3ヶ月以上前の昨年末の事だったのですが、しばらくエイジングさせた方が本来の性能が引き出せるという須山社長からのアドバイスがあったのと、できるだけいろいろな状況で実際に使用してから記事にしたいという思いがあり遅くなってしまいました。

しばらく適当な音を流してエイジングしておいてから、満を持して音楽を聴いてみた時に驚いたのは、今まで何度も聴いた曲なのに聴いたことのない音が聴こえる、ということです。非常に優れた遮音性能と高い分解能が実現する、低音から高音までのバランスのよく高いダイナミックレンジがあるということでしょう。製品概要のページには

マルチドライバー(バランスドアーマチュア型)でありながら、担当する周波数レンジを完全に独立させるアコースティックフィルタ&ネットワークにより、澱みの無いピュアで伸びやかな音質を実現。
ボーカルの息づかいやドラムヘッドの鳴り、ヴァイオリンやコントラバスの指使いといったディテールの描写とともに演奏会場の空気感を再現します。

とありますが、これにはまったく偽りはないのではないかと思います。

また、音楽ばかりでなく映画などを観るときにも非常に良い性能を発揮します。低音には迫力がありながらメリハリがありますし、高い解像度により役者の台詞は当然ながら背景の「ガヤ」までも聞き取れるくらいです。私はこのパルテールを使用して先日のブレードランナーを観ましたが、同じ部屋で家族がテレビを観ているにもかかわらず、ダウンタウンの雑踏の中で日本語が背後から聴こえるのがはっきりとわかりました。

もう一つ試してみたかったのが飛行機での使用です。私はこれまで飛行機に乗る際はノイズキャンセリングヘッドフォンATH-ANC7を持ち込んで使用していて、これの遮音性能や音質に不満はなかったものの、飛行機に乗るときにはできるだけ荷物を減らしたいのにどうしてもかさばる、というのが難点でした。そこで先日のテキサスへの出張にはもしものためにATH-ANC7も持ちつつパルテールを持って行って使ってみたところ、期待以上の遮音性に驚かされました。これまでにも普段使っていたインイヤーヘッドフォンを試してみたことはありますが、どれも低周波の騒音を防ぐことができず、まともに聴くことはできなかったのですが、パルテールはまったく違いました。見事に騒音をカットし、自然なバランスで音楽を楽しむことができました。

遮音性が高いだけでなく、装用感も良く聴き疲れしないというのも大きなポイントで、音楽を聴いている時も実に自然ですし、2時間映画を見続けても耳にまったく違和感がありませんでした。構造的には一般的なカナル型ヘッドフォンと大きな違いはないように見えるのですが、補聴器製作により得られたノウハウなどが込められているのでしょうか。また、ユニバーサルタイプでもこれならカスタム品の場合は一体どれほど良いものなのかと思ってしまいます。値段はさらに張りますが、それに見合う以上のものがあるに違いありません。

これだけ素晴らしい製品ではありますが、気をつけなければいけないのは遮音性能の高さ故に、歩行中や自転車等の運転中に使用するのは大変危険だということです。この製品に限ったことではありませんが、安全な環境・場所でのみ使用するようにしましょう。

audio-technica ATH-ANC7

充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない – クラークの三法則

最近夜行バスや飛行機に乗ることが何度かありましたが、本を読むにも薄暗く、寝るくらいしかないのに寝場所を選ぶ私は眠ることもできず、退屈で完全に時間を持て余していました。飛行機の場合は機内で音楽チャンネルなども提供されていたりするわけですが、エコノミークラスで貸してもらえるヘッドフォンは惨めになるくらい貧相なもので、外からの雑音ももろに入ってくるので全く楽しむ気になれません。自前のヘッドフォンもアダプターがあれば利用できますが、それでも飛行機の機内騒音を十分に遮るものは大きなものになってしまいそうです。カナル型ならそこそこいけるでしょうか?

そんなことを感じていたところで「轟音の地下鉄でノイズキャンセリングヘッドホン10製品をテスト! 通勤に使えるのはどれ?」というような記事を見つけ、地下鉄で使えるなら飛行機やバスでも問題ないだろうと見てみると、どうやらaudio-technicaのATH-ANC7という製品のノイズキャンセル効果、音質の評価と価格とのバランスが高く良さそうです。その後他のところで調べてみても概ね似たような評価で、それならば、と買ってみることにしました。

audio-technica QuietPointノイズキャンセリングヘッドホンATH-ANC7
メーカー:オーディオテクニカオーディオテクニカ (2007/02/23)ISBN/ASIN:B000MWW6NA
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ノイズキャンセル性能だけを見ればソニーから騒音低減率99%という凄いものが出ていますが、これは5万円近くもする高価なものなのでとても私の手が届くようなものではありません。月に何度も海外との往復フライトをこなしているような人には十分その価格に見合う価値のあるものでしょうが、私にはそこまでのものは不要です。

また、何といってもヘッドフォンというオーディオ機器なのですから、音質が良くないことには使う気にもなれません。特にヘッドフォンというのは音質の良し悪しというものを感じやすいのではないかと思いますので、この点ではなるべく妥協したくないものですが、ATH-ANC7の場合特に高く評価されているのが音質についてのようです。これまで私が自宅で使用してきたのもaudio-technicaの製品ですが、さすがにこの価格帯で手を抜くことはないのではないかと期待しました。

ということで、モノが届いたのは寝込んでいる間だったのですが、ようやく音楽を聴く気になる程度に回復してきたところで昨日の出勤時に試してみることにしました。その効果については「周りの音が聞こえないので外を歩くには危険を感じる」などという表現も見られますが、さすがにそこまでのことはないでしょうし、車の音が聞こえたら脇へ避けなければならないというようなところも通らないので問題ないはずと踏みました。でもさすがに自転車に乗るのは危険なので徒歩です。

家を出てからノイズキャンセラのスイッチを入れてみると環境音がスッと小さくなり、突然静寂に包まれたような感じになりました。実際には完全に無音になるわけではないのですが、ランダムなノイズに対しては期待した以上の効果です。それから音楽をスタートしてみると、評判通りクリアで自然な音質で、ノイズが聞こえないのであまり音量を上げる必要がないということもあって聴き疲れしにくいように感じました。もちろんノイズキャンセラが働いていることによる不自然さなども一切感じられず、飛行機の中で静かにクラシックでも聴きながら眠りに就くということもできそうです。

その後、今回私が試してみたかったポイント、普段歩くときには通らないのですが、比較的交通量が多く、頭上では換気ファンが轟音を上げているというトンネルの中を歩いてみました。通勤時にいつも使っているSennheiser PMX100はオープンエア型ということもあって、このトンネル内を歩くときは音量を数レベル上げないと聞こえないようなところなのですが、ATH-ANC7ではそのままの音量で難なく聴くことができます。さすがに騒音が全く聞こえないというほどではないのですが、音楽が鳴っている間にはその音でマスキングされてしまう程度に小さく抑えられており、十分な性能と言えるのではないでしょうか。

入力プラグを接続しなければノイズキャンセル機能だけを利用することができるようにもなっているのですが、基本的に無音になるわけではないので、意識してしまうと余計にノイズが気になってしまったりするのでなかなか難しいものです。静かな図書館の中だと他人の咳払いやページをめくる音さえも気になってしまうというのと同じようなことでしょうか。その状態に慣れてしまえば快適に過ごせるようになるのかもしれませんが、ごく小さな音量ででもBGMを流してマスキングしてやるとより効果的なのではないでしょうか。

このアクティブノイズキャンセラの仕組みというのは、私も学校で「音は波である」と学んだときに友人らと「それなら逆位相の波を重ねたら無音になるんじゃない?」と話していたのをまさにそのまま実現したものなのですが、その時はまさかそんなと思ったことが実現されてしまうとは、テクノロジーの進歩というのは恐ろしいものです。昔は無理だと思ったあんなことやこんなことも今ならできるのでしょうか…ってみんな忘れちゃ意味がないんですけどね。