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Please Stand By (2017)

“Live long and prosper.”
🖖

日本で「スタートレック」というと好きな人はいるという程度の人気や知名度だと思いますが、本国アメリカでは「スター・ウォーズ」と並んで日本で言う「サザエさん」や「ドラえもん」と同じくらい人口に膾炙しているテレビ番組となっています。駐在中に私が対応していたアメリカ人のお客さんもトレッキー(大のスタートレックファン)だったのですが、会話の端々にスタートレック関連の小ネタを混ぜてくるので、なかなか日本人には通じないだろうなあと思いながら私はニヤリとしていたものです。なお、Wikipedia日本語版には「トレッキー」について

否定的なニュアンスが強く、揶揄する為に使われているので、ファン自身には嫌われている呼び方

と書かれていますが、現地アメリカでは私の感覚では決してそんなことはなく、かのお客さんも自称していたと思います。

ところで、今回観た「500ページの夢の束」という作品はスタートレックの熱心なファンで自閉症を持つためグループホームで暮らしている主人公のWendyが、パラマウントが主催するスタートレックの脚本コンテストに参加するために大作を書き上げ、提出するまでに巻き起こる出来事を描いたものです。

主人公Wendyを演じているのはDakota Fanningで、私の好きな女優の一人であるElle Fanningの実姉ですが、この二人が素晴らしいのは子役時代からの長く立派なキャリアを持つ、若手女優としてトップレベルの実力者でありながら、マイナーな作品にも数多く出演しているということです。先日観たElle主演の「ティーンスピリット」もそうでしたが、この作品もそうしたものの一つと言えるのではないかと思います。私の地元のシネコンでは特に洋画は大作に偏っているので、本作についても今回Amazon Prime Videoで見つけるまで存在すら知りませんでした。

自閉症という病気について私はほとんど知識がないためあまり語ることができませんが、人口1000人あたり1〜2人の人が持っているとされており、決して珍しい病気ではありません。しかしながら治療法は存在しないということで、社会として受け入れ共存していく必要があるのだと思います。この作品では自閉症を持つ人を主人公としていますが、作っている人、演じている人、そして観る人はおそらくみな健常者でしょうが、この病気に対する理解を広めるために一役買うことができているのでしょうか。

なお、途中でクリンゴン語で会話して緊張をほぐす場面がありますが、会話が交わせるほどクリンゴン語を会得している人がいるというのがちょっと信じがたいような気もしつつ、逆にアメリカなら稀にはいそうな気もしてしまいます。また、テレビや映画で使われるだけの架空の言語なのに会話ができるほど文法や語彙が完成しているというのもすごいことですが、Translator.euなど日本語からクリンゴン語にも翻訳できるウェブサイトも複数存在しています。一時期Google翻訳でも対応していたような気がするのですが、私の記憶違いでしょうか。なお、Translator.euで

日本語からクリンゴン語にも翻訳できるウェブサイトがあります。

を翻訳すると

laH mugh vo’ japanese tlhIngan ‘e’ website qar tu’lu’.

となりますが、存在しない言葉は英語になってしまうようですね。それでクリンゴン人に通じるとは思えませんが。

ということで面白くなかったわけではないものの、このまま映画自体にはまったく触れないまま終わろうと思いますが、原題の”Please stand by.”というのはスタートレックのセリフに度々登場する文句ですが、この言葉を繰り返し唱えることでWendyが落ち着きを取り戻そうとするというのもなかなか良いですね。グループホームで世話をしているScottieとの謎の符丁も良いですが、そもそもScottieといったらMontgomery Scottですよね。ただ、Worfが登場するのはTNGの時代で、James T. KirkSpockと一緒に登場するというのは…というどうでもいいところに引っ掛かってしまいましたが、映画の本筋とは全く関係ないところなので皆さんは気にしないでください。

Star Trek: Picard

“Engage!”
🚀

私も最近色々なジャンルの映画を見るようになりましたが、そう入っても一番好きなのはやはりSFです。中でもスター・ウォーズスタートレックは別格ですが、スター・ウォーズ エピーソード9も終わってしまって寂しい思いをする間もなく、今年1月から新しく「スタートレック: ピカード」というシリーズが始まって、また気分が盛り上がっているところです。

このシリーズはアメリカのCBS系で放送されているテレビドラマですが、日本などではAmazon Prime Videoで独占配信されているので、おかげさまで私も無料で観ることができます。言うまでもなく「スタートレック」シリーズの最新テレビドラマシリーズとなりますが、私が一番馴染みがあって好きなTNGこと「新スタートレック」シリーズに続くものとなり、TNGでUSS Enterpriseの艦長であったJean-Luc Picardがタイトルロールであり、主人公となっています。

嬉しいのはインターネット社会らしく全世界同時公開となっているのか、新しいエピソードが日本でもアメリカ本国と同時に観られるようになっているということです。シーズン1はエピソード10までとなっているらしく、今日現在ではエピソード3「終わりの始まり」(“The End is the Beginning”)までが公開されており、毎週1本ずつなのでまだ2ヶ月ほど楽しむことができることになります。現時点ではちょうど起承転結の「起」が終わったところになり、これからさらに、どんどん面白くなってくるのではないでしょうか。

描かれているのはPicardが惑星連邦宇宙艦隊の提督を引退した後の時代で、今のところPicardの他にTNGから登場したのはDataくらいですが、このあと他にも各シリーズから人気キャラクターが何人か、そのままの配役で登場するようなのでそれも楽しみです。もちろんTNGのテレビシリーズが終わったのは1994年、映画でも「スタートレック: ネメシス/S.T.X」が2002年の作品なので、それから20年近くも経っていてキャストも相応に歳を取っているわけですが、作中でも同様に年月が経過している設定なので問題はないでしょう。ただ、アンドロイドで歳を取るはずのないDataだけは、70歳のBrent Spinerにはちょっと厳しかったのではないでしょうか。

主人公のJean-Luc Picardを演じるのはもちろんPatrick Stewartですが、まだ矍鑠とはしているものの、さすがにもう79歳ともなるとすっかり老人なので、これで宇宙に冒険に出掛けていっても大丈夫なのかと余計な心配をしてしまいます。このシリーズもすでにシーズン2が決まっているとのことですが、あまり延々とは続けられないのではないかなどとも考えてしまいますが、できることなら頑張って続けてほしいものです。

ということで、シーズン1が終わるとまたシーズン2までの間がとても待ち遠しいことになりそうですが、とりあえずしばらくは大きな楽しみができて嬉しい限りです。

自叙伝 ジャン=リュック・ピカード

実在の人物かと錯覚してしまいます。
🖖🏻

経緯はすっかり忘れてしまいましたが、先日どこかで見つけてすぐに購入して読んだのが「自叙伝 ジャン=リュック・ピカード」という本です。

自叙伝 ジャン=リュック・ピカード
竹書房 (2018-10-11)
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おそらくこの本を楽しめるのは「ジャン=リュック・ピカード」というのが何者なのかすぐに分かる人だけではないかと思われますが、わかっている人には言わずもがな、「新スタートレック」(TNG)に登場する宇宙艦U.S.S. エンタープライズの艦長Jean-Luc Picardのことです。TNGの主役が誰であるのかというのははっきりしないところですが、誰か一人といえばまっさきに考えるのがJean-Lucでしょう。このJean-Lucというのはもちろん架空の人物ですが、その彼が書いた自叙伝の形式で書かれた小説がこの作品です。

Captain PicardというのはPatrick Stewartが演じていたキャラクターですし、表紙も惑星連邦宇宙艦隊の制服姿のPatrickの肖像なのでどうしても彼のイメージで脳内再生されてしまいますが、若い頃のJean-Lucはどういう姿だったのでしょうか。やはり若かりし頃のPatrickの姿で想像すればよいのかとGoogleで画像検索してみると、やはりシェイクスピア俳優だったというだけあってなかなか凛々しい青年だったようですね。

スタートレック:ヴォイジャー」(VOY)は全話観て面白かったのでTNGも全て観たいと思うのですが、TNGの最初の方はかなりつまらないのですよね。全部観てやる!と意気込んで観始めたことはあるのですが、何話か観て挫折してしまったことがあります。そのためこの「自叙伝」にも知らないエピソードがいくつも出てきて、それは私が観ていないから知らないだけなのか、そもそも本編には出てこないものなのかがわからないということになっています。しかし、それはどちらであったとしても同じように楽しく読むことはできて何も問題がないので、「スタートレックシリーズは好きだけれどTNGはあまり観たことがない」という人でも楽しむことができるのではないかと思います。

ちなみに著者名も「ジャン・リュック・ピカード」になっていてこういう遊び心は楽しいですが、本当の著者はDavid A. Goodmanという人で、編集者としてクレジットされています。スタートレックの大ファンと公言している人が、好きが高じて本を書いてしまったというものなので、内容はかなりディープなものになっていて大ファンにも満足できるものになっているのではないでしょうか。私はだいぶライトめなファンだと思いますが、非常に楽しく一気に読み切ってしまいました。同じ著者がJames T. KirkMr. Spockの自叙伝も書いているので、オリジナルシリーズ(TOS)が好きな人にはそれらのほうが面白いかもしれませんが、残念ながら日本語訳はなされていないようです。私はTOSについてはあまり知識がありませんが、いつか日本語版が出たらぜひ読んでみたいと思います。