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サマータイムマシン・ブルース

確かに気持ちいい。

先日、早くもというか話題性が無くなってしまう前にということか、昨年日本の映画界に一大旋風を巻き起こした「カメラを止めるな!」が金曜ロードショーで放映されました。私は放送を見ていないのですが、ぜひ妻にも観てもらいたいと思っていたもののBlu-rayを購入するタイミングを逃していたため、とりあえず録画はしてありますので私ももう一度楽しみたいと思っているところです。

この放送のだいぶ前に読んだ誰かのブログに掲載されていた本作の記事だったと思うのですが、伏線回収ものの代表作のように挙げられていたのが本広克行監督の「サマータイムマシン・ブルース」という2005年の作品でした。普段ほとんど邦画を観ない私なのと、当時はまだ私もあまり映画を観ていなかったということでこの作品については全く知らなかったので、是非観てみたいと思っていたところAmazon Prime Videoで観られるようになっていたため、先日ようやく時間ができたので観てみたのでした。

サマータイム・マシン・ブルース

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もう10年以上前の作品なので今さらネタバレもなにもないかもしれませんが、「カメラを止めるな!」と同様に本作もあまり予備知識を持たずに観たほうが楽しめることは間違いないと思うので、私も多くは語らないことにします。ただ、タイトルからタイムマシンが登場するであろうことはわかりますので、タイムマシンということはタイムトラベルを題材にしたSF的作品であることは容易に想像できますし、まさにその通りのものです。

しかし、最初はなんだか訳のわからないドタバタコメディのようなものにしか見えず、そのまま観続けるべきなのかどうか、もしも事前に「伏線回収ものの傑作」であるということを知らなかったら迷っただろう、というよりおそらく迷わずに中断してしまっただろうと思います。しかし、その訳のわからなかったものが中盤以降に全てきれいに回収されていくので、その気持ちよさは体験すべきものだと言えます。

なお、「カメラを止めるな!」は当初上田監督が観た「GHOST IN THE BOX!」という舞台作品に着想を得たとしてこの舞台を「原案」としてクレジットしていて、これを不服とする劇団側と権利を巡って争った結果、「共同原作」としてクレジット表記することで合意に至ったという経緯がありますが、この作品ももともと舞台作品として作られたものを映画化したというものながら、あるべき手順を踏んで作られたというところに大きな違いはありそうです。とはいえ、ここから思うのは「実は舞台演劇も面白いのでは?」ということなのですが、残念ながら大都市圏に住んでいないと舞台を観に行くのはなかなか難しいですね。

Terminator Genisys

観たかったのはこれ。

2009年の「ターミネーター4」は製作時点では新3部作の1作目という位置付けだったにもかかわらず、興行は失敗に終わり、製作会社も倒産する事態となってしまいました。1,2作目のJames Cameronのオリジナルの雰囲気とはだいぶ変わってしまっていますが、様々なマシンが登場して、ハードな内容で私は嫌いではなかったのに残念でした。

しかしどういう経緯か、このフランチャイズの最新作「ターミネーター: 新起動/ジェニシス」製作・公開される運びとなりました。この作品については公開前にJames Cameronが「私にとって3作目のようだ」というようなコメントを寄せていましたし、予告もワクワクするような作りでかなり期待を持たせてくれましたので、私も非常に楽しみにしていました。映画本編を観た後で予告を観なおしてみると、勘違いするように巧妙に仕組まれていることにも驚きますが、予告でネタバレしてしまっては元も子もありませんから当然ですね。

さて、冒頭1984年の世界にT-800がやってきて最初にするのはまず服を奪うことですが、1作目を観ている人はここでニヤリとすることでしょう。SF作品ではこういうことが大事だと思います。そしてその直後にはもうこの作品の最初の見せ場がやってきてしまいますが、その後もT-1000が出てきたりするのでこのあとどんどん出てきてしまうのではないか思ってしまいました。

もちろんT-800はArnold Schwarzeneggerが演じているのですが、ターミネーターも歳を取るというのは苦し紛れのようでもそれほど無理なく描かれていました。そりゃ生体組織も老化するのでしょう。でも人間よりも高い再生能力を持っているのだとしたら、老化もカバーできてしまいそうな気もします。まあそういうことにする他ないのですから認めておきましょう。

シリーズを通して最重要人物であり続けるSarah Connorの役は、今回はEmilia Clarkeが演じています。この作品では髪をまとめているせいか可愛らしく見えますが、他のメディアで見るとだいぶ雰囲気が違っていてびっくりします。私は観たことがないので知りませんでしたが、アメリカの大人気ドラマ “Game of Thrones“にも出演していたということで知名度は高かったようですね。

Kyle Reese役はJai Courtneyですが、この人は「ダイバージェント」シリーズや最近観た「アウトロー」の悪役で見ているので、どうも何かを企んでいるように思えてなりませんでした。役者にとっては役柄が偏らないようにするのも大切なようですね。また最重要人物John Connorは奇しくも母親役のEmiliaと同姓のJason Clarkeでした。

劇中でSarahは守護者たるT-800を”Pops”と呼んでいます。これは日本語で言えば「オヤジ」くらいのニュアンスのようですが、日本語版では「おじさん」となってしまっているのでしょうか。それではちょっとSarahの性格付けが変わってきてしまうような気がしますが、それでいいのでしょうか。確かに若い女性が「オヤジ」と呼ぶのは日本ではヤンキーくらいでしょうが、「父さん」くらいではダメだったのでしょうか。なお、このPopsを送り込んだのが誰だかわかってそれを阻止されるのを防ぐために、誰なのかは記憶から消されているというのは将来展開に自由度を与えるためにも上手い方法ですね。どうも批評家の評価は低いようですが、おそらく続編も製作されるのではないかと私は楽しみにしています。

Interstellar

「2001年宇宙の旅」にどこか似ている?

宇宙旅行ものというのはSF作品の一つの王道ですが、CGが発達して映像としては比較的簡単に作れるようにはなったものの、できてしまうがゆえに素人が見てもいくら何でもそれはないだろうというようなでたらめな作品も少なくありません。主題は別にあってあくまでお話を膨らませるためのものだから、と割り切ることができるようなものであればいいですが、そうでない場合には見ていて悲しくなってしまうこともあります。

しかしその点、Kip Thorneの監修も得て科学的に確かな背景を持つという触れ込みの「インターステラー」なら安心して観ることができるだろうと、日本でも公開されて評判が聞こえてきたので私も観てみることにしました。私は他の作品を見た時に予告で最初にこの作品を知りましたが、多くが語られなかったのでいったいどういうストーリーなのかもわからず、あまり前情報のない状態で観ましたが久しぶりに骨太のSF作品を観たような気がしました。

近未来の地球では農作物が病気でどんどん育たなくなってしまい、慢性的な食料不足の状況が続いていました。世間ではもはや技術者は必要とされておらず、子供たちも農業に従事することが求められていました。主人公のCooperも元NASAのパイロットですが、宇宙開発も既に公には行われておらず、Cooperも農業に就き、自身の技術を自動化した農場に活かしている、というところから始まりますが、ここから宇宙旅行にどうつながるのかはなかなかわかりませんでした。しかし、冗長になってしまいそうなところはすっぱり省略し、宇宙に出たところからが本当の物語です。

この作品の鍵となっているのは巨大な重力場の影響による時間の歪みです。土星の近くに発見されたワームホールを通り抜けて別の銀河へ行った主人公らは、ブラックホールの近くにあってその影響を受けている惑星へと降り立ちますが、そこではその惑星上の1時間が地球上の7年間にも相当するほど、時間の流れが早くなっています。この影響によって物語は非常に複雑なものとなり、様々な感情面での作用も生まれることになるというわけです。

しかし、いいSF作品というのはその科学的要素を持つ設定を物語のスパイスとするだけで、主題となるのは人間ドラマです。この作品でもテーマとなっているのは父と子の愛であり、それは最初から最後まで一貫しています。SF的な設定そのものに力が入りすぎてしまうとドラマ面が疎かになって薄っぺらなものになってしまいがちですが、そういうことには陥っておらず、見応えのあるものになっています。

また面白かったのは宇宙旅行のアシスタントとなるロボットたちです。TARSやCASEという名を持つ彼らは同じ大きさの直方体をいくつか並べたような形をしていますが、状況に応じて複雑に変形し動きます。また、人工知能を持ち会話をすることができますが、妙に生々しく人間的な音声を持ち、さらにユーモア度や正直度を可変パラメータとして持ち変更できるという設定も面白いところです。あえてヒューマノイド型をしていないところがいいのではないでしょうか。

この他、各俳優陣の演技もなかなかですし、宇宙の映像も素晴らしく、見どころは盛り沢山です。Anne Hathawayも綺麗だし、Mackenzie Foyも娘に欲しいくらい可愛いです。終盤はSF好きな人でないとやや難解かもしれませんが、あまり深く考えずに楽しんだらいいのではないでしょうか。