兵庫県神崎郡神河町というところにグリーンエコー笠形という複合レジャー施設のキャンプ場奥に、扁妙の滝という滝があります。落差65mということなのでそれほど大きな滝ではありませんが、この滝が冬になると凍結することがあるということで、職場の後輩に誘われて一度、寒い中行ってみたことがあります。しかし、そのときは一部が凍っているだけで期待外れに終わってしまっていました。

その後私はすっかり忘れてしまっていたのですが、先日その後輩に職場で会った際に、先日から寒波が続いているので今度は大丈夫ではないかということでまた誘いがあり、4年ぶりに行ってみることになりました。ちょうど昨晩は寒波のピークが来て雪も降り、極寒ではありましたが氷瀑鑑賞には絶好の機会でした。

現地へ着いてみると私が思っていた以上に雪が積もっていて、結構本格的な冬山登山になってしまいました。周りの人たちはしっかりとした装備に身を固めていて、私だけがダウンジャケットにジーパン、スニーカーというふざけた格好で、まさに「冬山を舐めた人」のようで肩身の狭い思いまでしました。実際に登ってみると案外なんとかなるもので、特に問題はなかったのですが、下りの際に一度だけ足がズルズルと滑ってしまってなんとか堪えた、ということはありました。

それはともかく滝にたどり着いてみると、見事に凍りついていてまるで時間が止まったかのようで、ちょっと幻想的、神秘的な風景でした。周りに何人も同じように見に来た人達がいるので、そこまで浸ることができたわけではありませんが、きっと一人っきりで、すべての音が雪に吸収されて静まり返った中で見ることができたら、時間を忘れてしまうのではないかと思われました。

この滝のすぐ下流にあるオウネン滝のほうはまったく普通に流れているのですが、扁妙の滝のほうが凍りついてしまうのは風当たりで冷やされるからなのだそうです。たしかに寒いと言っても流れる水が凍りつくような気温ではないので、様々な条件が重なって奇跡的に氷結してしまうということで、自然の神秘とも言える貴重なものなのではないでしょうか。