姫路市出身の著名人は数多くいますが、必ずその上位に挙げられるのがファッションデザイナーの髙田賢三氏です。実際には小中高の間姫路市にいたものの、生涯の多くの時間はパリで過ごしているため、本人が姫路にどれほどの思い入れを持っていたかわかりませんが、姫路市側としてはまさしくおらが町の英雄といった扱いです。
その髙田氏は2020年にCOVID-19の合併症で亡くなられているのですが、その生涯と業績を作品とともに振り返る「大阪・関西万博記念事業 髙田賢三展 パリに燃ゆ、永遠の革命児」という特別展が姫路城に隣接した姫路市立美術館で4月から開催されていて、それがもう再来週には閉幕してしまうということで、遅ればせながら見に行ってきました。
髙田氏の生涯を年表と写真とで振り返る展示は博物館の無料展示ゾーンで行われており、誰でも見ることができるのだと思います。その奥の有料ゾーンに入ると、髙田氏の作品、つまり衣装を着たマネキンが約100点展示されているということで、これはなかなか圧巻です。私自身はまったくファッションに素養がないので、あくまで直感的に美しいと感じるかどうかだったり、興味をそそるかどうかだけで見てきましたが、その時代その時代でなるほどと感じるものや、さすがと思わされるものだったりが多く、とても見応えがありました。また、奇抜なものはそう多くなく、きっと今着ていたとしてもファッショナブルに見えるものが数多くありましたが、それは髙田氏が流行を作り出して普遍的なものにしたということなのではないかと理解しました。
また最奥部にはパリの髙田邸を隈研吾氏が再現したという模型が展示されていましたが、周囲をアパートに囲まれて隠れた空間に作り上げられた、日本庭園となっている中庭を持つ独創的な邸宅は非常に魅力的なものでした。実物のこの邸宅が今はどうなっているのか、今後どのように扱われるのかがちょっと気になりますが、できれば文化的な資料として保存・公開されることを願いたいものです。
今回の展示を見たことで、これまで地元出身の著名人という認識しかなかった髙田賢三氏について、今さらながら関心を高める結果となりました。今後も私がKENZOブランドの服を着るということはないと思いますが、見かけた時にちょっと親近感を覚えることにはなりそうです。

