Mika私が買い続けているイギリスのコンピレーションアルバムの最新版であるNow 66で、Disc 1の1曲目という絶好のポジションに収録されていたのが24歳の新人アーティストMikaGrace Kellyという曲でした。Grace Kellyといえばもちろん前モナコ大公妃のことでしょうが、つい先日までそのグレース・ケリー展がタイムリーにも開催されていたのは単なる偶然なのでしょうか。まあ、彼女のことを歌ったというわけではなく、「グレース・ケリーのようになりたい」というような歌詞なので、曲名になっている割にはそれほどの強い思いがあるわけではないようですが、少なくともMikaにとっては素敵な女性の代名詞としてその名前が出てくるということなのでしょう。

また、日本人の女性名としてもポピュラーな”Mika”という名前も気になったわけですが、キリスト教世界では元F1ドライバーのMika Häkkinenと同じ、天使ミカエルにちなむ男性名で、英語で言えばMichaelにあたるものですね。英語でこの”i”を「イ」と発音するためにはアクセントを置く必要があるので、カタカナで書けば「ミーカ」とした方が近いかと思います。

そのMikaの”Grace Kelly”ですが、曲の方は正統派UK Popsの様々要素がふんだんに盛り込まれた曲で、何ともハッピーな感じです。きっとMika自身もUK Popsが大好きなのに違いないという感じなのですがやはりイギリス人には受けたようで、この曲が収められたアルバム”Life In Cartoon Motion“もイギリスを中心に大ヒットしたようです。先日Tower Recordsに行った際に目立つPOPが掲示されていて、1680円という特売になっていたので私もつい手に取って、そのままレジに向かってしまいました。本当はAvril Lavigneのニューアルバムを買いに行ったのでしたが…(今見るとAmazonはもっと安いようです。)

Life in Cartoon Motion
アーティスト:Mika
Universal (2007/03/27)
ISBN/ASIN:B000NA2776

このアルバムのカバーアートからして実に楽しげで魅力的ですが、収められている曲の方もそれに負けず劣らず楽しく魅力的で、Popsの様々な要素がギュッと詰まった濃い1枚でした。天気のいい日のドライブのお供に最適、と最初は思ったのですが、そういうときに限らず色々な表情を見せてくれる魅力たっぷりな曲が揃っているので、ややクラシックな80年代頃のUK Popsが好きな人であればあらゆるシチュエーションで楽しめる曲が見つかるのではないかと思います。ファルセットの使い方などはQueenの故Freddie Mercuryを彷彿とさせるものがあります。

24歳という若いアーティストのデビューアルバムでこの出来というのは驚かずにはいられないのですが、これまでに溜め込んできたものを一気に放出したということなのでしょうか。だとするとセカンドアルバム以降の出来が心配にもなってしまいますが、どこぞの安っぽい流行りもののように毎年リリースする必要はないので、何年かごとにズッシリと重みのあるものを提供してもらえると嬉しいですね。作曲家としてもボーカリストとしてもその実力は間違いないと思うので、今後の活躍にも期待したいところです。