ブリジンガーまだ終わりじゃなかったのか…

Christopher Paoliniが17歳の若さにして書き上げ、自費出版したその作品がある作家の目に止まったことでベストセラーになったという「エラゴン」に始まる「ドラゴンライダー」シリーズの作品ですが、私は最初に一昨年の映画化作品を観てしまい、その映画のできにガッカリしつつも原作を読んで評価を改め、その後続編となる「エルデスト」を読んでいました。もともと3部作ということだったのですが、その3作目となる「ブリジンガー」の出版を首を長くして待っていたところ、書店に平積みになっているのを先日見つけ、すぐさま購入しました。

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しかし、その後も読まなければならない本が何冊もあったので、いつでも読めるからと先送りにしていた私はそれほど熱心なファンでもないということになってしまうかもしれません。「好きなジャンルは?」と聞かれれば「SFとファンタジー」と答える私にとっては、間違いなく楽しみにしていたものだったはずなのですが、いざ手に入れてしまうと何となく満足してしまったというわけです。

ところがこの週末、ふと急に読みたくなって、読み始めてからは速かったです。上下巻合計で1000ページを超えるなかなかの大作ですが、読むことに没頭したというほどでもないのにほぼ2日で読み切ってしまいました。まあ文体が軽く読みやすいということもありますし、ある程度子供が読むことも考えた体裁で行間が広いということもあるのですが、それでも一度この世界観に浸ってしまうとスラスラと頭に入ってくるような感じでした。

このシリーズではライダーであるエラゴンとそのドラゴンであるサフィラとの間の強い絆が印象的に書かれていますが、それはこの3作目でも同様です。主人公がドラゴンライダーという「選ばれし者」なので、ときに傲慢に感じられることもないではありませんが、それもドラゴンがそばにいてこそのことで、ドラゴンと離れているときのエラゴンは実に弱々しいものです。実際は一人でもかなりの力を持っているのですが、ドラゴンとは精神的に支え合っているのです。

ドラゴンライダーシリーズでちょっと気になるのは戦闘シーンがやや生々しすぎるということです。普通のファンタジー作品であれば省略するような肉体の損傷度合いをかなり具体的に記述しているので、それが魔法で治るものだとしても実に痛々しく、そういったものに弱い私にはちょっと辛いものがあります。これをそのまま映像化したらR18指定は免れないでしょう。

それにしても作者のChristopherは未だ26歳の若さなのに、これだけの表現力というのはどこから得たものなのでしょう。確かにところどころで若さを感じるようなところがないでもないのですが、これよりも薄っぺらい作品なんて世の中にはいくらでもあるのではないでしょうか。若きライダーがベテランの師匠から得る助言など、なかなかの深さがあるのではないかと思います。

私はこのシリーズが3部作だと思ったまま読んでいて、下巻の残り150ページあたりまで来たときになって新しいエピソードが始まったときにようやくおかしいということに気付きましたが、

このシリーズは当初三巻で完結の予定だったが、著者の構想があまりにふくらんだため、物語の最終話を四巻目へ託すこととなった。

だそうです。そんなこともあるものなのかという感じですが、確かに本書の最後のエピソードは私も気に入りましたし、これを活かすためにはあと1巻が必要です。それがまたいつ出版されることになるのか、またしても首を長くして待たなければ…忘れた頃にやってくるということにはならないで欲しいものです。