ガール! ガール! ガール!楽しんだもん勝ち!

私がクレイジーケンバンドの音楽を聴くようになったのは今から5年前のことですが、このクレイジーケンこと横山剣さんが凄いのは毎年夏には必ずアルバムがリリースされ、しかもそのアルバムが新しい音を取り入れたりそれまでの集大成であったり、毎回全く手抜きのない充実したものになっていることです。今年はメジャーレーベルのユニバーサルに新しい独自のレーベル「ダブルジョイ・インターナショナル」を設立して特に力の入っているところなのか、リリースされたガール! ガール! ガール!も素晴らしい出来でした。幅広い音を取り入れているだけに最初に聞いたときにはしっくり来ないものの、しばらく聴いているうちに耳に馴染んで良さがわかる、ということもしばしばあるのですが、今回はわかりやすく最初から「これは!」とストレートに来るものでした。

ガール!ガール!ガール!
演奏:クレイジーケンバンド
ユニバーサル シグマ (2009/08/12)
ISBN/ASIN:B002CNW7UY

そんなアルバムがリリースされたあとは、それを引っさげてのアルバムツアーも楽しみなものです。チケットの手配は先輩Tさんや後輩Mに頼りっきりなのですが、昨年に引き続き今年もしっかり参戦してきました。アルバムが良かっただけにライブにも期待してしまうところですが、その期待に応えてくれる実に楽しいものでした。

開演が18時と普通よりも早いので、冒頭のMCで剣さんも「たっぷり3時間やります」というようなことを言っていたのですが、アンコールの時には「本当は2時間のつもりだったのに結局3時間になっちゃった」なんて言っていて、本当は最初から3時間のつもりでセットリストも組んでいただろうにこれもリップサービスなのでしょうか。いずれにしてもこれだけメジャーになったアーティストがみっちり3時間も聴かせて魅せてくれるなんて凄いことで、6000円なんて安すぎるとさえ思えます。途中のMCで「次は20曲目」と言われてからさらに10曲ほどは聴いたと思うので、全部で30曲ほどということで時間的にも計算が合います。

今回はアルバムツアーなので最新アルバムの曲を中心に構成されていましたが、レパートリーがどんどん増えているので割合としても古い曲は減ってきたようです。私は古くからのファンとは言えないのであまり古すぎる曲は知らなかったりするのですが、今回はそういうこともなく、逆に古いファンの人は寂しい思いをしたかもしれません。また、新しい曲でも子供に受けのいい「本牧宇宙人」は演りませんでしたが、私としては「マリンタワー・ゴーゴー」を聴けたので嬉しかったです。

しかしそれにしてもMCの下手なところは相変わらずで、ネタ合わせしてあるときはいかにも白々しいですし、アドリブはしどろもどろで見ていて痛々しいくらいです。まあそんな様子を見るのも笑えますし、それを補ってあまりある楽しいステージで、また今に始まったことではないので全く問題ありません。しかし今回はさらに歌詞は間違えるは歌い出しでは入れずやり直すは、歌の方でも散々で、メジャーレーベルに移ってプロモーション疲れなのでしょうか。売り込みのために音楽の質が落ちるようでは本末転倒ですから、そんなことならメジャーに移らないでほしかったと言われないよう、レーベルの方も気を付けて欲しいものです。