UNIQLOネット対応の成功事例?

私も普段着にはかなりお世話になっているユニクロも今でこそ「ユニバレ」などという言葉があるというほど庶民的なものとなっていますが、かつては芸能人がテレビ等で語ってしまうなど大ブレイクした時期もありました。かと思えばさらにその前は地方の垢抜けない洋服屋だったりもしたわけで、ブランドイメージは二転三転していることになります。また最近になって本格的な進出を始めた海外ではというと、その品質の高さからフランスや中国などでは行列ができるほどの人気となり、特に中国では国内ブランドの製品の何倍もの値が付いているにもかかわらず飛ぶように売れているとのことです。まあこれはテレビで見ただけなのでどこまで本当のことかもわかりませんが。

さて、そのユニクロは6月に創業26周年を迎えるとかでこの週末に「ユニクロ誕生感謝祭」として一部店舗を朝6時に開店して特別セールを行うそうです。26周年というその年数もやけに半端で気になりますが、朝6時にユニクロに詰めかける人達というのもどうなのでしょう。昨年は25周年という区切りの年だったことになりますが、そういえば行列していた人達にあんぱんと牛乳が配られたなんていうことがあったなあ…と思ったらそれは昨年11月のことで、ユニクロの起源である小郡商事から数えて60周年ということだったようで、ユニクロ25周年としては特に何もしていなかったようです。となると今年の11月は61周年で何かやるのか、その後も半年おきのイベントになるのか、などなど気になってしまいますが、そんなことを考えているのは私だけでしょうか。

それはともかく、今回のイベントに合わせてユニクロのウェブサイトではUNIQLO LUCKY LINEなるコンテンツが公開されています。仮想的な行列に並んでおくとその26人に1人に1000円分のクーポンが当たり、また並んでいるうちの260人に限定Tシャツが当たるというものですが、その「並ぶ」という行為に利用されているのがTwitterだというのが今時なのでしょうか。ユニクロのこのページでコメントを入力すると、その後ろに定型文がつけられてTwitterにtweetされ、それにより並んだことになる仕掛けです。しかしこのとき、TwitterのIDとパスワードの入力が必要になっているというのが引き金でTwitter界隈ではひと騒ぎになったようです。

並んだ一部のユーザのパスワードが洩れている、という噂が広まったわけですが、実際にはTwitter IDと名前やtweetの内容などが出力されているだけのことで、パスワードがそこに含まれていないというだけでなく、それらはパスワード不要で一般に公開されているものです。そうであるにも関わらず、「パスワードを入力させて収集している」とか「OAuthを利用すれば済むのに」などといった的はずれな糾弾もありましたが、この際叩いておきたいということなのでしょうか。Twitterのパスワードを要求するサービスなんて他にもいくらでもあるはずです。

当のユニクロはこの騒ぎに対して迅速に対応しました。夕方には手早くプレスリリースを発表し、

5月24日よりご提供させていただいているUNIQLO LUCKY LINEに関しまして、当コンテンツが皆さまのTwitterパスワードを保存している、また、そのパスワードが漏洩している、という情報がインターネット上に流れておりますが、そのような事実はございません。

と明確に否定しています。また私は

ユニクロに悪意が無ければいちいちパスワードを保存する必要は無くて、使ったそばから捨てていけばいいはずだけど、実際どうなのかは興味があるな。

などとtweetしていたのですが、この時既に

当コンテンツでは、皆さまのTwitterアカウントと通信・連携するためにパスワードを入力していただきますが、このパスワードはTwitterと通信される際のみ利用され、当コンテンツ上のデータベースに保存を一切行っておりません。

とこれもまた杞憂だったようです。

ということで急速に火の手は弱まり事態は終息してしまったようなのですが、やはりネット時代はスピードが命ということでしょうか。それにしても一部の人はTwitter IDが表示されていたこと自体についても不満を表明していたようなのですが、そんなことは自分が入力する前から分かりきっていたはずのことですし、パスワードを入力したあとで勝手に心配になって大騒ぎするというのもいかがなものかと思ってしまいます。個人的にはそういう人は速やかにオフラインになっていただきたいものですが、それだけインターネットが普及していろいろな人が使うようになったということで、今後も同じようなことは何度も起こって、ますます頻度が高くなってくるのでしょうね。