日本語でもよくしゃべる方ではないというのに…
先日、職場でいつものように自分の机のPCに向かっていると、上司が背後に現れ「明日の定時後空いてる?」と尋ねてきました。何かの会議に出席しろとでも言われるのかと思ったら、自分は都合が悪くなったから代わりに会食に行ってくれないか、と。「いいですよ」と即答はしたものの、問題はその相手で、オランダの現地拠点から出張で来ているオランダ人エンジニアなのでした。今年は個人的に英会話力強化年になっているため、そのいい機会だということなのでしょう。同じく強化中のE君と2人でオランダ人2人を連れていくことになりました。
まずは何を食べに行こうかというところから悩まなければならなかったわけですが、聞いてみると既に1週間ほど日本にいてあちこち連れていかれているようで、焼肉には2度行っているとのこと。その他、シシャモやエビは味はともかく頭が付いているのが嫌だったとか、いろいろな料理を食べに行っているようでした。最初は日本ならではのものを考えて連れて行ったほうがいいのかと思っていたのですが、普通に思いつくものは誰かが連れていっていそうなので、ここはあえて地元民が普段食べるようなものがいいのではないかと考えを変えて、地元の庶民に人気の中華料理店に行くことにしました。中華なんてもちろんオランダでも珍しいものではないでしょうが、中華なら好き嫌いがあっても何かは食べられるでしょう。
ということで連れていった中華料理にはそれなりに満足してくれたようですし、さすがに日本企業の現地法人で働いている人達なので日本人が嫌いであるはずもなく、終始和やかに会話することができました。そんな中で興味深かったのが2点。
まず、「ほとんどのオランダ人が英語をしゃべることができると聴いているけれど、いつ英語を勉強したのか」というのを聞いてみました。すると、小学校では英語は習わず、collegeに入ってからだということなので英語教育の面では日本とそれほど違わないようです。ではなぜ、というとテレビの影響が大きいのではないかということでした。オランダのテレビでは英米の番組を放映していることが多く、その際音声は英語のままでオランダ語の字幕が付けられた状態になっているので、オランダの子供たちは小さい時から英語を聞くことに慣れているのだそうです。「日本のように吹き替えにしてしまってはダメだ」と言っていましたが、ヒアリングは聞いて慣れることが重要ですから、確かにそうかも知れません。また、オランダは国土が狭く、ちょっと出掛けるとオランダ語の通じない国外に出てしまうので、そうしたときに英語が使えないと困るのだ、とも言っていました。
もう一つは、「あなた達はどれくらい外食しているのか」と聞かれたのが印象的でした。私は大体月2回くらいではないかなあと思いそう答えたのですが、オランダでは飲食店はあまりない上10時頃には閉まってしまうし、普通は家で食べるから月に1度有るか無いかだとのことでした。日本人は週に何度も食べる人がいるようだし、深夜何時まででも開いているがそれはおかしい、と。確かに今の日本の状況はあまり褒められたものではないかもしれませんし、外国人の目で見れば異常でしょう。そんな状況にも馴染んでしまうと何とも思わなくなってしまうものですが、そういう視点は失わないようにしたいものだと改めて感じました。
とまあ真面目に考えさせられてしまったところもあるのですが、2時間近くも英語だけで会話していると普段使わない頭を使うのでやはり疲れますね。まあ相手の方はあまり英語の通じない異国にいてもっと疲れているのだとは思いますが。