Kick-Assわざわざ遠くまで観に行った甲斐がありました。

東京で生まれ育ちながら就職と同時に関西へと移り住むことになった私、もともと人混みが苦手で希望が叶ったものなので後悔のようなものは一切ありません。しかし、人口が集中しているだけあってちょっとしたイベントなどは東京を中心に行われることが多くなるので、それが羨ましく思えることが度々あります。今回観た映画「キック・アス」も東京では早くから何か所もで上映していて盛り上がっているようなのですが、私の住む兵庫県ではこの週末から神戸三宮の一館のみという有様です。三宮までは私の自宅から片道1時間半以上、交通費も千円以上かかるので、そこまでして観に行くべきか、それとも3月発売予定のBlu-rayを待つかで少々迷いましたが、やはり評判を見聞きしていると劇場で見る価値があるだろうと判断し、初日の昨日早速観に行ってきました。

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)
監督:マシュー・ヴォーン
東宝 (2011/03/18)
ISBN/ASIN:B004IEAZ18

どうもこの作品は配給元の問題でフィルムが不足していてデジタル上映を行っているという話なのですが、劇場によって画質が4K2KだったりHDだったりSDだったりと様々らしく、当然ながらSDで観た人には「映画館でDVD画質で見せられるとは」と評判が良くありません。私もできればSDは避けたかったのですが、映画館のウェブサイトを見てもそれが判るような表記はないので仕方ありません。まあそれが判ったとしてもさらに迷っただけでしょう。ということで祈るような気持ちでCMや予告を観ていたのですが、予告が終わって例の「映画泥棒」が始まるとその答えははっきりしました。SDです。

しかし、本編が始まってしばらくすると、画質の悪さはほとんど気にならなくなりました。というより、画質にはやっぱり不満を感じるのですが、それと映画そのものの面白さは全く関係がないのだということがはっきり分かりました。全体的に解像度が荒くぼやけたような画像でも、面白い物語には引き込まれてしまうものなのです。自宅ではDVDでも楽しんで観ていますし、古い映画などはもっと低画質だったりするものなのにそれでも楽しんでいるのだから当然といえば当然ですね。

さて、この作品は全身タイツのコスチュームを着てKick-Assを名乗りスーパーヒーローを目指して自警団的な活動を始めた高校生Dave Lizewskiが様々な痛い目に遭いながら大変なことに巻き込まれていく、という話です。このKick-Assが世間に知られるようになるきっかけがYouTubeへの投稿だったり、Kick-AssがMySpaceに自分のページを構えていたりという辺りは現代的ですが、MySpaceではなくFacebookならもっと良かったでしょうね。
Hit-Girl
Kick-Ass自身は普通の高校生どころかオタク少年なのでコスチュームを着てもとっても情けない有様なのですが、途中で知り合うことになるHit-Girlは幼い頃から厳しい訓練を重ねて殺人マシンとなった少女で、悪人をバッタバッタと倒していきます。このHit-Girlを演じているのはChloë Grace Moretzなのですが、この映画によって人気急上昇中のようで、たしかに実にキュートな少女です。この作品の魅力の結構な割合が彼女によって引き出されているのは間違いないでしょう。今後の成長が楽しみです。

この映画ではR指定を厭わず残虐シーンを盛り込んでいるので、痛々しい場面があちらこちらに出てきます。私は自宅でDVDなどを観ていると痛いシーンが観ていられず、ポーズして一息入れたり、そのまま観るのを中断してしまったりするので、映画館に観に行ったためにそういうわけにはいかないので、そういう意味でも良かったと言えます。しかし、R-15指定になったことでプロモーションも興行も大々的には行われず、今回のようなマイナー作品扱いになってしまったのは残念です。

ということで、レイトショーで観てきたために帰りのバスが無くなってしまい、駅から40分ほど歩いて深夜12時を過ぎて帰宅することにはなってしまいましたが、それでも良かったと言えるくらい楽しむことができました。これを普通に全国の映画館で観ることができないとは、配給元の罪は深いですねえ。