The Chronicles of Narnia: The Voyage of the Dawn Treader早くも息切れ感がありますが…

ハリー・ポッターの映画版はとうとう今年の「ハリー・ポッターと死の秘宝PART2」を最後に全8作で完成しましたが、今年のアカデミー賞も有力視されているようです。あの作品はシリーズの集大成と言えるものでしたし、映画界を活性化させる大きな役割も果たしたでしょうから、いくつもの賞をものにするのではないでしょうか。

さて、ハリー・ポッターと同じファンタジーのジャンルで同じく原作が7部作という「ナルニア国物語」の方はどうかというと、どうも今一つ盛り上がりに欠けるようなきがするのはなぜでしょうか。映画としての完成度は非常に高いと思うのですが、あまり話題にならないのは原作が日本人に馴染みがないためでしょうか。まあもともとファンタジーというのは万人受けするものではなかったものがハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リングのおかげで裾野が大きく広がって一般的になったのですが、それはまだ定着しきってはいないということなのかもしれません。しかし、私は以前からファンタジー好きを自認していましたから、そんな世間での騒がれ方は気にせず、ナルニア国物語のシリーズ3作目、「ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島」を観てみました。

ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島 [Blu-ray]
監督:マイケル・アプテッド
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2011/12/14)
ISBN/ASIN:B005NFMGVI

この作品は原作シリーズの3作目、「朝びらき丸 東の海へ」を映画化したもので、原題は原作のままなのですが、邦題は大きく変わっていますね。「アスラン王」と言っておきながらアスランが本当に登場するのは終盤だけです。確かに存在感はありますが、その人気にあやかっているような邦題はあまり好きになれません。ただ、Qui-Gon JinnことLiam Neesonが演じる声は王にふさわしい実にいい声です。

今作の主役はLucyとEdmundのPevensie兄妹の他に、彼らの従兄弟のEustace Scrubbが加わります。海原を行く船の絵の中からナルニアに入り込み、Caspianと共にCaspianの父の友である7人の知人を探す旅に出る、というものです。ファンタジーの世界の話ではありますが、大航海時代のような設定で「パイレーツ・オブ・カリビアン」を彷彿とさせるようなところが多々あります。まあパイレーツの方もファンタジーではあるのですが。

ナルニアでは言葉をしゃべる動物がいるわけですが、その中でも今回はネズミのReepicheepがEustaceとの絡みで頻繁に登場してきました。完全にCGのキャラクターだということですが、現代の技術ではもう本物とさっぱり区別が付きませんね。無理に本物を使うよりも楽な所ではCGを使う、というような感じになってきているのではないでしょうか。ちょっと前にはCGの多用で製作費がかさんでいると言われていましたが、最近は技術の進歩でその製作費も下がってきていたりするかもしれません。

ということでこの作品を見てなぜ話題にならないのかを考えてみると、華がないのだということに気づきました。Caspian役のBen Barnesという美男子はいますが、やはり話題となる映画には美人のヒロインが欠かせません。なんていうとLucy役のGeorgie Henleyには失礼かもしれませんが、でもねえ…