Hugo確かにいい映画です。

前回の記事からしばらく間が開いてしまいましたが、私の方は特に何事も無く、ただあまり時間に余裕がないため更新できなくなってしまっています。そんなに仕事が忙しいのかというと特にそういうわけでもなく、なぜかバタバタしてしまっているだけで、週末も家でのんびりしていればいいのにそれができる質ではなく、ついついドライブに出かけてしまったりするのがいけないのです。

さて、実は今日は私の誕生日だったりするのですが、今は家族を日本において一人アメリカ暮らしという状態なので、ちょっと寂しい誕生日になっています。よく考えてみると、家族にも友人にも会わず一人きりで誕生日を過ごすというのは生まれて初めてのことではないでしょうか。まあ誕生日だからといっても一年365日のうちの一日でしか無いのですから、特別に寂しく思う必要はない、ということにしておきましょう。

ということで、今日は一人で映画を観に行くことにしました。一人で観るのはいつものことですが、今回はアメリカの映画館ですから日本語字幕などあるわけもなく、果たして理解できるのかというのが問題でしたが、100%分からなくてもそれなりに楽しめるだろうと楽観的に考えることで解決です。私が行ったシネコンでは昼と夜とで値段が違い、昼のマチネーの方が安くなっていたりするのですが、今回はマチネーで観たので$10.50です。日本円に換算すると今のレートでは900円弱、日本の半額ですね。日本はマーケットが狭いのでどうしても高くなってしまうのは仕方ない部分もあるのでしょうが、これだけ大きな価格差があると映画人口にもかなり影響しているでしょう。ちなみに今回は3D映画でこの値段なのですが、3Dでなければさらにもう少し安いはずです。

今日観ることにしたのは、先日のアカデミー賞で5部門制覇したことでも話題となっている、日本では一昨日公開されたばかりの「ヒューゴの不思議な発明」です。アメリカでは11月から公開されているのでかなりのロングランのように思いますが、シネコンも20スクリーンもあるくらいだからできることなのでしょうか。すでにDVDやBDも発売されているのですが、それでも年配の方々を中心に多くの方々が観に来ていました。これだけ安ければ手軽な娯楽ですよね。

さて、映画の方は巨匠Martin Scorsese初の3D映画ということでも話題となっていますが、3Dを非常に効果的かつシンプルに利用していて不自然さがなく、疲れずに観ることができました。これはコンピュータによる2Dフィルムからの合成ではなく、3Dカメラを利用した撮影だからということもあるかもしれません。

ストーリーについては何を説明してもネタバレになってしまいそうなのでここではあえて触れないことにします。しかし、自身映画マニアだというScoseseらしく映画への愛に満ちた、心温まる純粋な作品です。スリルやサスペンスとはほぼ無縁ですが、観終わってからもじわっと来るものがありました。アカデミー賞では撮影賞、美術賞、視覚効果賞、音響編集賞、録音賞という映像と音響に関する賞を総ナメにしていますが、なるほど映像と音響は非常に素晴らしいものでした。特に映像については舞台である今から80年ほど前のパリに実際にいるかと思わせるほど緻密で美しいものです。

主人公のHugo Cabretを演じているのはイギリスの子役俳優Asa Butterfieldですが、聡明さと可憐さを感じさせる可愛らしい子です。まああっという間に大人になって雰囲気も変わってしまうのでしょうが、今後の活躍も楽しみです。そしてHugoを手助けすることになるIsabelleを演じるのはKick AssHit-GirlことChloë Grace Moretzなのですが、私はもともとChloëが楽しみでこの映画を観たいと思ったのでした。Hit-Girlほど個性的な役柄ではありませんが、やはりちょっと不思議な魅力がありますね。

結局、字幕なしでも大きな支障なく理解できたのですが、いくつか聞き取れても意味のわからない単語があるのは仕方ありませんね。まあ字幕でもセリフの内容が端折られてしまうことは多々ありますから、やっぱり何とかなるものです。といってもジャンルによるでしょうね。さすがに政界を舞台にしたサスペンスなどはさっぱりではないかと思いますが、そういうジャンルはもともと観ないので大丈夫です。

ということで、この映画を観てなぜかGeorges Mélièsの「月世界旅行を観たくなった人のために日本語字幕付きで公開されているサイトへのリンクを張っておきます。