Divergentこんな未来もあるのか。

先日、長男が補習校の友人らと映画を観に行くということで映画館まで送るよう頼まれたのですが、その映画というのが私も予告などを見てちょっと気になっていた「ダイバージェント」で、またどうせ送って行ったあとどこかで時間を潰し、終わった頃に迎えに行くくらいなら一緒に観てしまえばいいじゃないか、ということで図々しくもちょっと離れたところに座って私も観て来てしまいました。

物語の舞台は終末戦争後人類が唯一残ったシカゴです。人々はそれぞれの個性によって勇敢、無欲、博学、平和、高潔という5つの徳をモットーとする共同体(ファクション)に分けられ、その5つの調和によって秩序を保ち安定しています。子供達は成長するとある時幻覚を用いたテストにより特性を明らかにされ、それをベースに自分が属すべき共同体を選ぶことになります。しかし主人公のBeatriceのテストでわかったのは、彼女がいずれにも属さない「ダイバージェント」(異端者)であるということでした…

というような話なのですが、近未来ということで発達した技術を持ちながら、文化的には種族に分けられたような印象のあるやや原始的な社会になっているのがなんだか異様です。人類も絶滅に近い状況まで追い込まれるとこのようなことになるのでしょうか。まあまだ秩序があるだけ某世紀末伝説よりはいいのかもしれません。

しかし、物語の設定などはいいのですが、いろいろな要素を盛り込み過ぎて映画としてはまとまりのないものになっているような気がします。この作品は小説「ダイバージェント 異端者」を原作としているのですが、これは三部作の一作目であり、映画の方も三部作が予定されているようです。したがって、原作の世界をどうしても映画一本に収めたかったのでしょうが、盛りだくさんの内容を二時間少々にまとめるのは難しかったようです。

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ということで、世界観にオリジナリティはあってなかなか面白いとは思ったのですが、一本の映画としてみた場合には今ひとつといった感じがあります。一方、原作の方は読んでみると面白いのではないかと興味がわいたので、早速注文してしまいました。ただ、邦訳が済んでいるのは一作目のみなので、早く続きが読みたくてウズウズするのが目に見えています。長男には原書でもいいとは言われましたが…