The Equalizer - Denzel Washington as Robert McCallよくある無敵ヒーロー物のR指定版?

TIME誌最も影響力のある25人のティーンの一人に選ばれるなど、今乗りに乗っている若手女優Chloë Grace Moretzですが、「キック・アス」でThe Hit Girlを演じていた少女…なんていう説明はもう不要どころか失礼な感じさえするお年頃の17歳です。最近はDavid & Victoria Beckhamの長男Brooklynとの交際が報じられたりもしていて、オジサンはなかなか複雑な心境です。

それはともかく、日本では来週公開の映画「イコライザー」を昨日観てきたのですが、先日の「イフ・アイ・ステイ」ではChloëがベッドシーンまで演じていたと思ったら、今度はロシア人娼婦の役で、この先はどうなってしまうのかとこれも心配になってしまいます。

Chloëが演じているTeriことAlinaという少女は幼い頃に人身売買に遭って以来、ロシアンマフィアの性的奴隷として扱われ、売春を強要されているという、悲しい人生を送っていました。Denzel Washington演じる主人公、ホームセンターで働くRobert McCallは行きつけのカフェでAlinaと知り合いますが、彼女と打ち解けたその晩に彼女は拉致されるように連れて行かれ、売春の元締めSlaviによって酷く殴られて集中治療室へと運ばれてしまいました。Robertはその仇を討つことによって、より大きな悪との戦いに巻き込まれていくのでした。
The Equalizer - Chloë Grace Moretz as Alina
この作品はR指定となっているので、残虐シーンの苦手な私はそれが理由で直前まで見るのを躊躇していたのですが、残虐シーンが全くないわけではないものの、暗い場面でのことなので鮮やかには描かれていないため、心配したほどショッキングなものではありませんでした。かなり激しく殴るシーンなどはありますが、それよりもおそらく問題となったのは連発される「Fワード」だったのでしょう。日本語話者にはなぜこの単語がそこまで問題になるのかがなかなか理解できないものですが、まあ酷く下品だということなのでしょう。

主役のDenzel Washingtonは今回のように「一見とぼけたオジサンだけど実は強い」という役柄がよく似合いますね。決して筋肉質でもなければ動きに特段キレがあるというわけでもないのに不思議なものです。逆にそうではなく知的にみえるところが良いのでしょうか。今回の見せ場もありきたりなアクションではなく、その場にあるものを利用して効率よく相手を倒す、という感じなので、一昔前のマッチョなアクションスター向きではありませんね。

一方Chloëの方は話の発端となる重要な役柄ではありますが、物語が動き始めてしまうと全く登場しなくなってしまうのがファンには残念かもしれません。とはいえ、主人公の行動に大きな影響を与える印象的な役になっていますので、そこらの俳優には演じきれないものではないかと思います。Chloëの魅力全開…というわけにはいきませんが、この年齢層でこのような汚れ役もできて演技力と存在感を持つ俳優というのは他にはあまりいない、ということにしておきましょう。

監督はAntoine Fuquaという人で、私は聞き覚えがないと思っていたのですが、「ザ・シューター 極大射程」の監督でした。実はこの作品の内容はほとんど覚えていないのですが、記事を見る限りそんなに良い感じではなかったようですね。これを先に読み返していたらきっと「イコライザー」も観に行っていなかったでしょうが、今度の作品はまあ大丈夫です。クロエ補正はかかっているにしても、特に否定的な印象を受けたところはありません。