Jack ReacherTom Cruise作品にハズレ無し?

Scientologyの関係で人物的な評価は微妙なものになってしまっているような気もしますが、Tom Cruiseという俳優は実に様々な作品で主演しているのに、失敗作というのが少ないように思います。Tomほどの大物にはそもそもそんな駄作は回ってこないのだろうとは思いますが、脚本や監督をしっかりと見極めて選んでいるということでもあるのでしょう。他の大物俳優の場合にはなぜこんな作品にこの人が、というような例も少なくありません。

ということでTomが出ていれば安心というわけではありませんが、今回はJack Reacherシリーズという人気小説を映画化したらしい邦題「アウトロー」という作品を観てみました。

アウトロー [DVD]

ピッツバーグで発生した無差別銃撃事件の容疑者の書いたメモに米軍憲兵隊の捜査官であるJack Reacherの名前が出たため、Jackは容疑者の弁護人に雇われて捜査に乗り出し、その敏腕によって事件の大きな全貌が次第に明らかになっていく、というものです。映画を観ている人にはその容疑者が犯人でないことはわかっていますし、無差別でないであろうことも予想できるのですが、その後の展開はなかなか読めるものではありません。

捜査の過程で次はどこへ行くかと聞かれたJackのやり取りで、

「the auto parts storeへ行ってくれ。」
「どのauto parts store?」
「an auto parts storeとは言っていない。the auto parts storeと言えばどこだ。」

というくだりがありました。これはいったいどのように日本語に訳しているのだろうなどと考えながら観ていましたが、こういうところこそが翻訳者の腕の見せどころなのでしょうね。ある人は自分の好きな様に意訳してしまったりするのかもしれませんが、このやり取りはちょっと大事に扱ってもらいたいような気がします。

まあそれほどの傑作というわけではありませんが、この作品も結構楽しむことができました。しかしまたつまらない邦題を付けたもので、「アウトロー」なんていうタイトルだったら私はきっと見向きもしなかったでしょう。どんな場合でも原題をそのままカタカナにするべき、なんていうことは露ほども思っていませんが、「ジャック・リーチャー」だったらいったい何が問題だというのでしょうか。日本の映画ファンを舐め過ぎではないかと思ってしまいますが、実際には「アウトロー」の方が一般客には売れたりするのだとしたら、わかっていないのは私の方なので反省します。でもそんなものなのでしょうか。