The Sound of Music刷り込みのせい?

デトロイト空港はデルタ航空のハブ空港になっているため、日本との往復にはどうしてもデルタを使用することになります。だからこそありがたいことに直行便があるので文句も言えないのですが、つい数年前までのデルタの機材は酷いものでした。2010年に合併したノースウエスト航空から引き継いだ太平洋路線は航続距離の問題もあってしばらく機材も引き継いだB747-400を使用していましたが、退役時期を窺っていたのか機内エンターテイメントは一向に更新されず古いままで、前方のスクリーンにCRTプロジェクタで投影するという昭和のシステムがいつまでも使われていました。それが2012年になって個人用液晶モニタを装備した最新の「デルタスタジオ」に刷新されたのでした。何より嬉しいのは何十種類もの映画の中から自分の観たいものを観たい時に観ることができるということで、日本とデトロイトの間の13時間ほどのフライトの間には頑張れば6本もの映画を観られることになります。仕事で往復する人はそんな無茶なことはしないと思いますが、日本ではまだ公開されていないような最新の作品も含まれていますし、これを楽しみにしているという人も多いのではないでしょうか。

しかし、私は初めて観る映画をあの小さな画面では見たくなくて、今回の出張では行きは5回目の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」と「オデッセイ」、帰りは再び「フォースの覚醒」ともう1本は「サウンド・オブ・ミュージック」なんぞを観てしまいました。

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もう50年以上も昔の作品となりますが、この映画は母が若い頃から好きで、家にはサウンドトラックのアルバムがあってしょっちゅう聞いていたので、知らず知らずのうちに私も馴染みのあるものになってしまっていたのです。しかし、小さい頃にはテレビで観たことがあるとは思うのですが、大人になってからはまともに観たことがなく、改めて観てみようという気になったのでした。

映画そのものが古いだけでなく、舞台となっているのが第二次世界大戦直前の1938年のオーストリアということで、私も時代背景などがよくわからなかったのですが、難しいことは抜きにしてもミュージカル映画として気楽に楽しめば良いのだろうと思います。子供の頃から聞かされている私でなくても、「ドレミの歌」や「エーデルワイス」など日本でもよく知られている曲が歌われているので、初めて観る人にもとっつきやすいでしょう。

ただ、さすがに古臭さは否めません。せっかく音楽が中心なのに録音もあまり良くないので、この作品を現代の技術でリメイクしてもいいのではないでしょうか。根強い人気を誇る作品ですし、ひょっとしたら設定も少々アレンジした方がいいかもしれませんが、若い人にも再び認知されて売れるのではないかと思います。まあ私が言うまでもなく検討されて却下されているのでしょうが、サウンドトラックだけでも誰かがアルバムごとカバーしてくれないかなあと思います。ちなみに私は「ひとりぼっちの羊飼い」The Lonely Goatherdという、子どもたちがやる人形劇の歌が好きなのですが、この曲はGwen StefaniWind It Upという曲で引用されていて、これもまた好きです。

しかし昔の映画が良いのは、無駄な緊張を強いられたりせずに安心して観ていられるということですが、それもこれも私が年を取ったということなのでしょうか。それにしても遡りすぎという気はしますが、実は最近は70〜80年代の映画を見返したりもしているのですが、Sean ConneryRoger MooreJames Bondなどは今観ても良い感じです。