先日、福岡から来た友人が「博多通りもん」をお土産として持ってきてくれました。

博多通りもんは博多の製菓店明月堂が製造・販売している、白あんを小麦粉の皮で包んだお菓子ですが、バターや生クリームを使って濃厚な味わいに仕立てられており、「西洋和菓子」と謳っている通り洋風なところもあります。特にあんがねっとり濃厚で、しっとりした香ばしい薄皮に包まれていて、とても食べやすく、そして1個でも満足感を味わえるものになっていると思います。

全国各地それぞれの土地に土産物として有名な銘菓がありますが、やはり博多土産の菓子といえば通りもんではないでしょうか。しかし、販売開始が1993年ということで、私が子供の頃にはまだなかったので、私がその存在を知ったのは比較的最近のことです。また、ほとんど福岡県内でしか売られていないということで、福岡県と行き来がないことには手に入りづらく、めったに食べることができませんが、それだけにお土産でいただいた時には嬉しいものです。

明月堂では他にもいろいろな和菓子を扱っていますが、やはり売上の大部分はこの博多通りもんが占めているのでしょう。こういうお菓子は博多でなければ生まれないというものではなかったでしょうし、博多だから売れたということでもなく、製品開発の試行錯誤の末にここにたどり着いたアイデアと努力の賜物ということです。今から似たようなものを作っても、仮にそれが美味しく素晴らしいものだったとしても、二番煎じになってしまうのですから、お菓子の世界もなかなか厳しいものですね。