自然豊かな奄美大島にかつて放たれて一時は1万匹を超えて繁殖していたというフイリマングースは、もともと期待されていたハブを駆除する役目はほとんど果たさなかったばかりか、アマミノクロウサギなどの固有種を脅かすなどの問題があったため駆除が進められていましたが、直近6年間の捕獲数が⁰になったことなどから根絶が宣言されたとのことです。

ここに至るまでには大変な苦労があったことと思いますが、そもそも人工的に放たれてしまったことが間違いの始まりでした。ハブやネズミの駆除が目的だったということですが、ネズミはともかく雑食のマングースがわざわざ危険を犯して毒蛇を食べようとしなかったという、言われてみれば当たり前のことでした。それよりももっと安全で美味しいものがあれば普通はそちらを食べるでしょう。

だいたい人間の手で人間に都合のいいように生態系を変えようということがおこがましいことで、それがうまくいかなかったからと言って駆除されてしまったマングースも被害者ですよね。

奄美大島のマングースは沖縄から持ち込まれたようだということですが、沖縄へはもう100年以上も前に持ち込まれていて、すっかり定着してしまっているのでしょうか。沖縄ではもうすでに失われてしまった種もあるでしょうし、すでに今さらということなのではないかと思いますが、奄美大島がその二の轍を踏まずに蘇らせることができたのはとても喜ばしいことです。今回の成功事例を元に、同じように外来種の被害に悩まされている各国各地でも駆除などの対策が進むことを期待したいものです。