JR東日本が2028年度から新幹線のドライバレス運転を導入する(PDF)と発表しました。ドライバレス運転とは「自動運転のうち、運転士の乗務を必要としない運転」とのことです。まずは上越新幹線で2028年に長岡駅と新潟新幹線車両センターの間の営業列車・回送列車からGOA2と呼ぶ「運転士が列車の前頭に乗務する自動運転」を導入し、翌2029年には新潟駅と新潟新幹線車両センターの間の回送列車でGOA4の「係員が乗務する必要がないドライバレス運転」の導入を目指すとのことです。
もともと新幹線は専用高架線を走行することで人身事故や踏切事故の可能性を排除することができ、またATCによりある程度自動的に制御されていましたが、それでも緊急時や異常時のために運転士は欠かせないという状況だったのではないかと思います。それがさらに技術的に進歩して、緊急時の対応なども含めて自動化できるようになり、またより効率よく乗り心地の良い運転ができるようになったことで自動運転の導入にこぎつけたということでしょう。
自動運転となることで人的リソースの問題が解決できるというだけでなく、きめ細かく速度制御できるようになるというメリットがありますが、それによって運行間隔を短縮したり、トラブル時の臨時ダイヤにもスムーズに対応できるようになる可能性があります。この点については新幹線だけでなく、首都圏などの通勤電車でもメリットが見込めるところですが、走行環境の点では実現のハードルがどうしても高くなってしまうでしょう。
しかし、私が子供の頃に見た図鑑などには未来の交通として自動運転の交通システムが載っていたものですが、新交通システムなどだけではなく、それに近いものが新幹線で実用化される日がそう遠くないというのはなかなか感慨深いものがあります。自動車の自動運転とはまた違う難しさはありそうですが、ぜひとも高いレベルのものを作り上げてもらいたいものです。