日本のプロ野球にはほぼまったく興味のない私ですが、アメリカ駐在中には何度かスタジアムへ足を運びました。MLBでは日本のようなラッパや太鼓などの鳴り物が禁止されているのか、それともそもそもそういった文化がないのか、観客は皆思い思いにのんびり静かに、時に熱いプレーに声援を送るくらいの感じで、体験としてはかなり違うものでした。
そのMLBにも今や日本人選手が何人も参戦しているわけですが、その筆頭はやはり大谷翔平で、二刀流で沸かせた昨年までとは異なり、昨年の怪我のリハビリで打者に専念している今年は前人未到の50本塁打50盗塁のいわゆる50-50を達成するのでは、途中目を浴びていたのがつい昨日までのことです。そして日本時間の今日は6打数6安打3ホームラン10打点2盗塁というめちゃくちゃな成績で、一気に51-51に到達してしまいました。そしてチームは20対4の圧勝で、プレーオフ進出も決めたとのことです。
昨オフシーズンにはLAAからLADへの異籍に際して10年7億ドルという史上最高額の契約で話題になり、その後は元通訳の問題で世間を賑わしたりということがありましたが、そんなこんながあってもこれだけの成績を残していれば誰も文句は言えないでしょう。これだけ大騒ぎしているのは日本だけなのかとも思っていましたが、今日のMLBのホームページを見てみるとまさに大谷一色になっていて、アメリカでもしっかり称えられているということがわかりました。
今季のLADはリーグトップの成績を収めていますが、これは大谷一人が牽引しているというわけではなく、チームとして優秀であるということのはずです。昨年まで在籍していたLAAはリーグの下から2番目という体たらくですから、強いチームでプレイしたかったという大谷の移籍への思いも理解できますし、それが報われたということで喜ばしくも感じます。
しかし大谷の恐ろしいところは打者としてこれだけの成績を残せるだけでなく、投手としても一流だということです。そうでなければMLBで二刀流なんてさせてもらえるはずがありませんが、本人の希望は別として、来年以降も打者に専念させるほうがいいのか、それとも投手としても使わなければもったいないのか、球団首脳陣も頭を悩ませているのではないでしょうか。
しかしそんな大谷もまだ30歳、選手としてのピークは近いのかもしれませんが、まだしばらく一線で戦うことができる年齢です。この勢いをどこまで維持できるのかわかりませんが、怪我をせずに永くプレイし続けてほしいものです。