はじめに断っておきますが、私は日本のプロ野球にはまったく興味がありませんし、テレビもたまたま点いていれば見るというだけでほとんど見ないので、この問題は自分自身には何も関係ありません。しかし道義的にどうなのかと思ったので触れさせていただきます。

現在日本では日本シリーズが行われていて、アメリカでは今朝World Seriesの決着が付いたところで、日米プロ野球界が最大の盛り上がりを見せているところですが、この日本シリーズの生中継が行われている裏でWorld Seriesの再放送を行ったことに腹を立てて、日本野球機構(NPB)がフジテレビから日本シリーズの取材パスを没収したとのことです。

法人であるNPBが「腹を立てて」というのもおかしな話ではあるのですが、幹部がそういった発言をしているようなので間違いではないのでしょう。おかげでフジテレビは日本シリーズに関する報道に制限を受けることになるのでしょうが、心象を害するというくらいのことはフジテレビ側もあらかじめわかってやったことなのかとは思います。

私が気になるのは、これは「優越的地位の濫用」という独占禁止法が禁じる不公正な取引の一類型に当てはまるのではないかということです。「取引」に該当するのかどうかという点が良くわからないところですが、「大人げない」で済まされる話ではないように思います。法人のコンプライアンスとして問題はないのでしょうか。大袈裟な、と思う人もいるかと思いますが、大企業と有名団体の関係がそんな相手の顔色をうかがうようなものであってはならないのではないでしょうか。

NPBには今年まったく別の件で公正取引委員会から警告を受けた前科がありますから、ちょっと気をつけたほうがいいのではないかと思いますが、大丈夫ですかね。まあ私が心配するようなことではありませんし、特に心配もしていないのですが。