機動戦士ガンダム」、「哀・戦士編」に続く「機動戦士ガンダム」のオリジナルシリーズ劇場版三部作の三作目、「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」をようやくというか今さら観ました。アニメ好きを自称するなら観ておかなければならない一般常識というか一般教養のような作品であったと思いますが、私はこの歳になってようやく履修することができました。これもAmazon Prime Videoのおかげです。

本作も初期テレビシリーズを再編集して作られた劇場版映画ではありますが、本作では構成も演出もテレビ版とは異なるところが多い、新作に近いものになっているとのことです。まあテレビ版も観ていない私にはあまり関係のないことですが、違うとなるとテレビ版も観なければいけないのかという気にもなってきます。

それはさておき、前作まで主に地球を舞台としていた物語ですが、本作では舞台が宇宙に移されます。強襲揚陸艦ホワイトベース連邦軍の戦艦とジオン軍の戦艦が宇宙空間での戦闘を繰り広げますし、モビルスーツ同士も宇宙で縦横無尽に戦うことになります。重力のない宇宙では仮にモビルスーツが自由に機動できたとしても、方向感覚を維持するのが非常に難しいものになると思われ、「ニュータイプ」とそうでない人の間に大きな差が生じることになるのかもしれません。

「哀・戦士編」では命の儚さのようなものを感じさせられる重苦しい雰囲気の作品になっていましたが、本作でも色々な人が亡くなります。しかし、それよりもあまりに多くの人が一瞬にして命を失う場面が続き、重要人物が命を絶たれる場面も数多くあり、人命が軽んじられているような気がしてしまいました。そしてそれ以上に政治的な大きな動きの中で人々が翻弄されているような感じがあり、やるせない気分になるところもあったような気がします。まあ何はともあれこの三部作で一年戦争は終結することになりました。

ということで、これで満を持して「ジークアクス」に臨むことができます。でもカラーが共同制作しているだけあって、ビジュアルはだいぶ変わっていますよね。モビルスーツが現代的で複雑なデザインになっているのは今時な感じでいいのですが、人物を比べるとオリジナルの面々がだいぶ素朴に見えます。まあさすがに40年の月日は大きいので当然の変化ですし、一体どうなるのかは私も非常に楽しみです。