最近某SNSで目にしましたが、「8時10分前集合」と言われた時、何時頃に来るかが年齢層によって異なるという話です。私を含め昭和世代の人には7時50分に合わせて集まってくるのが当然としか思えませんが、Z世代の人は8時8分頃に来るものだと思うそうです。「8時10分」と書かれているのでそれに釣られて、「8時10分のちょっと前」と解釈してしまうのだそうで、「7時50分ならそう言えばいい」と強弁しているのを見ました。しかし、「8時10分前」というのは「7時50分」の別の言い方として昔から使われているもので、英語で言えば「10 to 8」のことです。一つのものを指す複数の言葉があることを許容しないというのはあまりにも不寛容というか身勝手なことですが、これを「最近はそうらしい」で片付けてはいけないのではないでしょうか。

似たような話は以前からあって、例えば「10分弱」と「10分強」と言った時にそれぞれどう捉えるかというのが話題になったこともありました。最近はそれぞれ12〜13分、17〜18分と捉える人がいるのだそうですが、どうしてそういう思考になるのか私には全く理解できません。それなら3分弱と言われたらどうするのかと思いますが、3分10秒とか言うのでしょうか。言うまでもないと思いますが、10分弱は正しくは8分程度、10分強は12分程度のことですね。

なぜこのようなことが起こってしまうのか、本当に嘆かわしいことですが、本を読まないことで国語力が大幅に衰えてしまっていることが原因でしょう。読書習慣のある人はこのようなことも本の中で使われている表現から学ぶのでしょうが、読まない人は親や教師など周囲の人が使っている言葉から学ぶか、他の人からはっきりと教えてもらわない限り知ることができません。

受験でも読解力は重要で、特に数学では文章題を解くために必要と言われていますが、企業などで働く上でも国語力というのは非常に重要です。仕事の指示を正しく受け取るためにも必要ですし、他の人に正しく伝えるためにも重要な能力となります。この記事の最初の件でも、取引先との商談で「10時10分前に正面玄関に来てください」と言われて10時8分に行ったら、その商談がうまくいかなかったとしても不思議ではないでしょう。それでも「相手の言い方が悪い」と言うのでしょうか。

なお、英語でも意味の取り方が2つに分かれる厄介な単語があります。「biweekly」と言ったら大多数の人は「隔週」と取るのですが、一部の人は「週2回」と取るのです。この曖昧さは150年ほども前から続いているそうですが、「bi-」という接頭辞をweekにかかると取るか、weeklyにかかると取るかの違いのようです。これは「bimonthly」も同様なのですが、「2年に1度」と「1年に2度」はbiennialbiannuallyで区別されているというのも面白い話です。