Star Wars Episode 2の直前、通商連合ら分離主義者らが銀河共和国の解体を画策している頃の、オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーの活躍の様子を描いた、映画の作品と作品の間を補完する「ブリッジ・ノベル」である「スター・ウォーズ 崩壊の序曲」を読みました。

スター・ウォーズ崩壊の序曲
アラン・ディーン フォスター Alan Dean Foster 酒井 昭伸
ソニーマガジンズ (2002/03)
売り上げランキング: 2,162

舞台となっているのは銀河辺境の惑星アンシオンで、この惑星を共和国から脱退させ、それによって星間条約の複雑な関係で周辺の惑星も共和国からの離脱に導き、共和国を解体させようとの工作を分離主義者らが企てているとの情報から、ジェダイ評議会がオビ=ワンとアナキンら2組のジェダイ・マスターとパダワンを送り込んだ、というところから物語が始まります。この時点でのアナキンはEpisode 2の頃よりもジェダイとしてまだ未熟で、他の3人から嗜められるような場面も多々あるといった状態です。

スター・ウォーズの世界の楽しみの一つとして登場する独創的な各種クリーチャーの存在があげられると思いますが、この小説にも多くの生き物が登場します。挿絵などがないだけに自分の想像力を働かせて頭の中に描くことになりますが、それらの生き物が私の頭の中では生きいきと動き回っていました。スーバタールなる6本足の大きな騎乗用の動物は馬よりもかなり速いスピードで、しかもかなり滑らかに走るようですが、もし映画化されていたとしたらどのように描かれることになるのかというようなことも想像するだけで楽しめてしまいます。

著者のAlan Dean Fosterは最初のスター・ウォーズを始めとして数多くのSF映画のノベライズを手掛けてきた人なので、ジェダイの特殊な能力や振舞い、この銀河辺境の世界の様子も全く違和感なく描き出していて、映画の世界とスムーズに繋げて読むことができました。この作品の他にも多くのブリッジ・ノベルやスピンアウト小説が出版されているのでどんどん読んでみたいのですが、ハードカバーでは1800円もしてなかなか手を出すことができません。今回は古本屋で入手しましたが、それでも580円でしたから、普通の文庫本を新品で買うのと変わらない値段ですし、それよりもなかなか置かれていないというのが辛いところです。いっそのこと原書で読もうかとも思いますが、専門用語が出てきてしまうと混乱してしまってなかなか読み進めないかもしれず、それもなかなか…といったところです。