世界的にもオープンカーといえば金持ちが乗る趣味の車でしかなかった1989年当時、マツダが世に放ったユーノス・ロードスターが与えた衝撃はとてつもなく大きなもので、世界中のカーメーカーがこぞって類似車種の開発を始め、かのMercedes BenzやBMWまでがSLK、Z3といった小型オープン2シーターを発売することになりました。いわゆるGuiness Bookにも「世界で最も多く生産された2人乗り小型スポーツカー」として認定されているそうですが(私は見付けられませんでした…)、初代ロードスターは日本車としては異例の9年間の長きに渡って生産され、2代目も1998年から今年までの7年間を務め、そして先日3代目が発表・発売されました。

ロードスターの魅力は「人馬一体感」という言葉で表現されますが、軽量コンパクトな車体に比較的小排気量のエンジンを搭載して軽快な走りを実現しているところにあるでしょう。今回のモデルチェンジにおいてもそれはしっかりと継承され、安全対策のためにボディサイズは大きくなったものの、それは最小限に止められ、車体重量の増加も極力抑えるべく努力が重ねられているようです。

デザイン的にも紛れもなくロードスターという形が残されつつ、確実に新しいデザインが取り入れられています。2代目よりも初代に近いデザインに戻ったのではないかと思いますが、小さめになった前後オーバーハングとフェンダー周りの造形により踏ん張り感が強調され、標準で16インチ、RSグレードで17インチとなった大きなホイールに見合うカタチになって、走りの良さを予感させてくれます。

パワートレインのスペックは2000cc 125kW/189Nmの今では普通レベルのエンジンですが、1100の軽量ボディのおかげでライトウェイトスポーツであるこの車の性格なら不足はないでしょう。標準グレードのRoadsterでは5MTか6AT、RSでは6MT、VSでは6MTか6ATとなりますが、本領を発揮して走る楽しさを一番感じさせてくれるのはやはり6MTでしょうね。RoadsterとRSの重量差はわずか10kgなので、6MTであることによるデメリットはほとんどないといえるでしょう。

これまでは2代目よりも初代の方が魅力的に感じていた私も、今度の3代目は非常に欲しくなってしまうのですが、4人家族ではこれ1台で生活するわけにはいきませんし、2台目を持つ余裕もないので諦めざるを得ません。もしも今独身だったら、と考えてみることもしばしばありますが、それは考えても仕方のないことなのですよね…

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