Archives

ほんだのばいく

格の違い。

ミュージックビデオからネタ動画までYouTubeには様々な動画がありますが、その中にゲーム実況というジャンルのものがあります。投稿者がゲームをしている画面を見せるというもので、無言でただゲームをやっているだけのものも、面白いことを喋りながらやるのでそれも楽しめるというものもありますが、もちろん人気がでるのは後者でしょう。

しかし人がやっているゲームなんて見て面白いのか、と言う人もいるかと思いますが、私は結構好きです。実は子供の頃、というのはスペースインベーダーが出てきた頃からの話で、ゲームセンターにはよく遊びに行っていたのですが、そこで自分がお金を出してプレイするのはほんの数回で、それよりも他の人がやっているのを脇から見ているのが好きでした。ゲームを一つの創作物として見ているような感じだったかもしれません。

ところで、そのゲーム実況界が騒然となったのが「ほんだのばいく」というチャンネルの登場で、まだ3回生放送しただけで、アーカイブとして公開されているのはそのうち1回分だけにもかかわらず、すでに登録者数は100万人を超えています。アーカイブの再生回数も200万回に迫ろうとしていますし、生放送の視聴者数も10万人を超えていました。夜9時頃からの生放送で10万人の人が見ていたというのは凄いことで、テレビの視聴率に換算するのは難しいですが、単純計算でも人口の1%近い人が見ていたということになるのではないでしょうか。

どうしてそんな凄いことになっているのかというのは一般のメディアでも報じられているのでご存知の方も多いと思いますが、実況しているのがモデルで女優の本田翼さんだからです。もともとゲーム好きを公言していて、休みの日もゲームをして過ごすことが多いそうですが、その趣味を活かすことにしたということでしょうか。

しかし、ただ有名人がやっているから人気があるというわけではないと思います。私もこのチャンネルの実況は見たのですが、さすがテレビに出ている芸能人ということなのか喋りがとても上手いのです。ゲームも夢中になると無言になってしまうということがあると思いますが、彼女はしっかり喋り続けています。しかも可愛いのでおじさんキラーと化しています。

彼女の登場でこれまでゲーム実況で視聴回数を稼いでいた人たちは完敗宣言をしたりしていますが、そうは言っても彼女の本業はあくまで女優でモデルで、あまり頻繁に公開するということもできないでしょう。また、ゲーム業界を盛り上げたいという思いでやっているとのことで、広告は付けていないのでどんなに見られても稼ぎにはならないようです。これを本業にすれば年収1億円などとも言われていますが、そこを欲張らない所がまた良いのでしょうね。また次の公開はいつになるかわかりませんが、私も楽しみにしたいと思います。

なお、チャンネル名は本名の「つばさ」がホンダのウィングマークから来ているということで付けたとのことですが、ホンダの許諾を得ているわけではなく安易だったと、変更を検討中とのことです。ホンダからクレームが有ったわけではないそうですが、まあ仕方ないでしょうね。

間取りの手帖remix

1980年、川崎市生まれ。間取り収集家、マッド・マドリスト。

先日読んだ、というか目を通した「間取り相談室」がなかなか面白かったので、その前作にあたる「間取りの手帖」というのも見てみようと図書館に予約を入れていたのですが、早速連絡が入ったので借りてきてみてみました。ただし、もともと「間取りの手帖」は新書で出版されているのですが、それを文庫化した際に加筆・再編集されているということだったので、私が借りたのはそちらの「間取りの手帖remix」の方です。

間取りの手帖remix (ちくま文庫 (さ7-1))
著:佐藤 和歌子筑摩書房 (2007/03)ISBN/ASIN:4480422897
Amazon.co.jp で詳細を見る

「間取り相談室」の方で収録されていた間取り図は60でしたが、こちらの「間取りの手帖remix」には煩悩の数だけ、108つの間取り図が収録されています。ページの真ん中にどーんと間取り図が載っていて、ページの下の方には「うにょうにょ。(7万円)」というように一言コメントと家賃月額が載っているというような感じです。それに加えて、合間に9つのコラムと1つのポエム(?)が挿入されていて、巻末には「談話室」として対談形式のものが添えられています。この談話室の「お客様」というのは、最初のものは「ノブエさんとフジシロくん」ということで誰なのかわからないのですが、その他は岸田繁氏、とうじ魔とうじ氏、石丸元章氏という、これまたよくわからない人選ではあるものの、それぞれに違ったテーマで面白い話をしています。

掲載されている間取り図というのは見るからにおかしな、パッと見からして使いにくそうなものもあるのですが、やはり面白いのは一見そんなヘンテコでもなく、その辺のチラシでよく見るようなものでも、じっくり目を凝らして見てみると確かにおかしい、というような「味」のあるものです。例えば私が気に入ったのは55番「そんなところに窓はいらない。(8.7万円)」というものですが、一見何でもない、よくある2Kの間取りなのですが、そのコメントの意味を考えてみると確かにいらない窓がありました。トイレと一体になったバスルームの、便器の後ろ側に窓があり、その窓の反対側は3.5帖の洋室なのです。一体誰が何を考えてそんなところに窓を作ったのか、何とも不思議で楽しいです。

しかしそれにしても、こういった間取り図は著者がコツコツと集めたもの、ということは実在の間取りであって、日々目にするチラシの中にも似たような面白物件が埋もれている可能性もあるということになりますから、これからはますます不動産チラシから目が離せなくなってしまいます。引っ越すために家を探しているわけでもないのに目を皿のようにして眺め、じっと見入る光景はおかしなものかもしれませんが、確かにこういうものをいくつか見つけてしまったらスクラップしてコレクションしたくなるというのもわかるような気がします。ちょっと私もやってみようかな、という気になってきましたが、大都市の狭小物件でないとそんなに面白いものはないかもしれませんね。

間取り相談室

あくまでフィクション

自分が引っ越しや工事を考えている場合でなくても、住宅の間取り図というのは見るのも描くのも楽しいものです。新聞の折り込みやポストに投げ込まれる不動産屋やマンション業者のチラシは色々想像しながらじっくり見入ってしまいますし、自宅のリフォーム工事の際はわざわざ自分でVisioを使って描いた間取り図で業者さんに希望を伝えたりしていました。マイホームデザイナーなんていうソフトウェアもあるくらいですから、同じように間取り図が好きという人はそれなりにいるのでしょう。

そんな間取りに注目して、ユニークな間取りを取り上げて一言コメントを付けている「間取りの手帖」の続編として書かれた「間取り相談室」という本を先日ヴィレッジヴァンガードで立ち読みしてちょっと面白かったのを思い出し、図書館で見つけたので借りてきて読んでみました。

間取り相談室
著:佐藤 和歌子ぴあ (2005/03/18)ISBN/ASIN:4835609654
Amazon.co.jp で詳細を見る

本書には全部で60の間取り図が掲載されていて、そのそれぞれに人生相談風の掛け合いが添えられている形になっています。この相談はあくまでフィクションということで著者の創作のようなのですが、その間取り図の家に住んでいる人が抱える悩みという形は狙いとして面白いのではないでしょうか。ただ、狙いすぎて外しているようなものが多いのと、相談に対する答えの方が突き放すような態度でパターン化してしまっているのがちょっと残念です。

しかし、全く説明がないのでよくわからないのですが、この間取り図自体はきっと実在するもので、著者の佐藤和歌子氏が自分で収集したものなのでしょう。その間取りに対して面白おかしい問答を考えるというのはなかなか高度な想像力が必要と思われますので、私にはとても真似のできるものではありません。Amazonのレビューでも辛口のコメントが多いようなのですが、それは前作が良すぎたからでもあるようです。私は「間取りの手帖」の方はまだ読んでいないので、早速図書館に予約を入れておきました。

全体的に見開き2ページのうち左ページが間取り図、右ページにそれに対する問答という形になっているので、「読む」といってもボリュームはかなり限られていて、間取り図をじっくり鑑賞しなければあっという間に読み終わってしまうことでしょう。しかしこの問答はただのオマケ、ユニークな間取り図こそがこの本の真価だと思えば、それを凝視していると様々なドラマが浮かんできて楽しめるのかもしれません。それこそ冗談としか思えない間取りがいくつもあるのですが、そんな家が日本のどこかにあるのかと思うと…