Archives

Kindle Fire HD 8

なぜこんなに安くできるのか…

先日、Amazonで年に一度のプライムデーが開催されました。様々なセール対象製品をAmazonプライム会員限定の特別価格で、数量限定で購入できるというものですが、ものによって本当にお買い得なものと、単なる在庫処分にしか見えないものとがあるので、それを見極める目が必要です。したがって、私はあまりこれに食いつくことなく、もともと欲しいと思っていたものが安くなれば購入するというスタンスで接してきました。プライムデーに限らず、掘り出し物を見つけるというのは難しいものです。

しかし今回は、次のプライムデーで購入しようと待っていたものがあり、それがKindle Fire HD 8というAmazonブランドの8インチタブレットです。もともと通常価格もメモリ16GBのモデルで8980円と非常に安いのですが、これがプライムデーでは5480円というにわかに信じがたい価格になります。32GBのモデルもあり、その価格差はわずか2000円ですが、ベース価格が低いだけに割合としては30%以上もの差になり、またmicroSDカードを使用して補うことができるので、私は16GBモデルと一緒に64GBのmicroSDカードを購入することにしました。

Fire HD 8 タブレット (8インチHDディスプレイ) 16GB

posted with amazlet at 18.07.22

Amazon (2017-06-06)売り上げランキング: 2

Amazon.co.jpで詳細を見る

SanDisk microSDXC 100MB/s 64GB Ultra SD変換アダプター付属 サンディスク SDSQUAR-064G 海外パッケージ品 [並行輸入品]

posted with amazlet at 18.07.22

SanDisk 売り上げランキング: 136

Amazon.co.jpで詳細を見る

Kindle Fireシリーズタブレットはこの8インチモデルの他に7インチと10インチがあり計3種類のラインアップとなっていますが、価格、解像度、CPU性能、重量でそれぞれ得失があり、最もバランスが良くコストパフォーマンスが高いのが8インチと判断して選択しました。解像度は1280×800ピクセルで動画では720pまでの表示となり、10インチのFull HD対応には劣りますが、この大きさであればDVD同等の解像度が得られれば十分と判断しました。

届いた製品をいじってみると、とても5000円そこそこの製品とは思えません。ユーザーインターフェースにもたつきがあったりするのではないかと心配していましたが、さすがにうまく最適化されているようで特に気になることはありません。ただ、iOSと比較すると若干シンプルな表現となっているようで、CPUに負担をかけないようになっているのでしょう。しかしイライラさせられることもなく、機能的な面では全く支障はありません。

液晶についてはiPhoneやiPadと比較すると明らかに発色の鮮やかさに欠けます。写真や同じアプリを表示したときに受ける印象が明確に異なりますので、やはり価格の違いが現れていることになりますが、価格比ほどの違いがあるわけではなく、もちろん見づらいというほどのことはありません。私はこのFire HDを主に移動中の動画視聴用に使おうと思っていましたが、そういう使い方で不満を感じるほどのことはないでしょう。なお、フロントとリアにそれぞれカメラも付いていますが、これらは使う気もないのでまだ試してもいませんし、おそらくそのまま使ってみることもないでしょう。

このFireには標準ではAmazonのストアから以外はアプリを入れられませんが、中身は正真正銘のAndroidタブレットなので、ゴニョゴニョとGoogle Play Store関連アプリを入れてしまうと普通のAndroidタブレットと同様に使うことができるようになります。ウェブで検索すれば簡単にその方法はわかりますので、おそらくそうして使っている人も少なくないでしょうが、Amazonもそこには目をつぶってくれているのでしょう。このタブレット自体ではおそらく利益が出ておらず、販売するコンテンツで収益を上げる形になっているのでしょうが、数を捌いてその基盤を広げることを重視しているのでしょう。

ということで、このタブレットでiPadと同じ体験を得ることはできないと思いますが、コストパフォーマンスとしては比べようもないものになっています。多少雑に扱って仮に壊れたとしてもそれほど惜しくない価格設定で、キッズカバーというものもありますし、小さい子供に与えるのにも良いのでしょう。といっても私自身は早くから子供にこういったデバイスに日常的に触れさせることには反対ですが。

Kindle Paperwhite (3rd gen)

理想の電子書籍端末に足りないものは何?

私は以前「電子書籍元年」と言われていた頃にKindle touchを購入して持っているのですが、実際のところこれまでほとんど使うことができていませんでした。問題はいくつかあって、まず大きいのはアメリカで購入したためか日本のアカウントにうまく紐付けられず、日本のKindleストアから購入ができないことです。また、動作が今ひとつもっさりしているということもあります。そして、アカウントの設定に試行錯誤しているうちに、転送してあった書籍情報が消されてしまったというのも継続して使う気を失ってしまった原因でもあります。

しかしそれから3年ちょっと経って、Kindleも様々な進化を遂げました。電子ペーパーによるバッテリー寿命の長さと目の疲れの少なさはそのままに、LEDフロントライトを搭載して暗いところでも読めるようになり、電子ペーパーの解像度も大幅に上がってついに300dpiに達しました。この高解像度の電子ペーパーを最初に採用したのはKindle Voyageという高級機で、これには私の食指も伸びつつあったのですがちょっと高いので踏みとどまっていたところ、これと同じものが普及機のKindle Paperwhiteにも搭載されたので購入に踏み切ることにしました。

Kindle Paperwhite (ニューモデル) Wi-Fi 、キャンペーン情報つき

日本でもプライム会員は特別価格で購入できるという特典がありますが、私はアメリカでプライム会員になっているのでWi-Fi版、広告付きのモデルを$119で購入することができました。注文の際、ギフト用ということにして私のアメリカのアカウントとは紐付けないようにして、そして到着後に日本のアカウントで登録すると、無事に日本のKindleストアが利用できるようになりました。

同時に、プレミアムレザーカバーという本革のカバーも注文しましたが、さすがに純正アイテムなのでKindleとのフィット感が良く、iPadのようにカバーの開け閉めに連動して電源がオン・オフするというのも便利です。柔らかい革の質感も良く手に馴染んで持ちやすく、爪で引っ掻いたりすると簡単に傷が入るものの、それも味のうちと思うことができます。

Kindleが素晴らしいのはやはりAmazonだからです。PCのブラウザ等を使ってAmazonの使いやすく賢い検索システムで本を選んで1クリックで購入でき、そしてウェブ上の操作でKindleに配信するようにすると自動的に手元のKindleに入っている、というのは実に手軽です。無料の本などは何の抵抗もなくポンポン入れていくことができますが、有料の書籍でもあまりに簡単なので危険に感じるくらいです。

いくつかの有料・無料の本や雑誌を入れて、先日のシアトル行きの際に早速持って行ったのですが、やはり電子ペーパーの読みやすさ、目の疲れの少なさは液晶とは格段の違いがあります。以前のKindle touchでも大した解像度でないのに不思議と読みやすく感じていたものですが、300dpiともなると紙の印刷物との違いもわからないくらいではないでしょうか。少なくとも、漫画雑誌の印刷よりはかなり細かいところまでくっきりしています。

雑誌などではレイアウトが固定されていて、1ページが1画面に表示されるものが多いようですが、その場合でもかなり細かくはなってしまうもののしっかりと読み取ることができました。先日紙での発行が打ち切られ電子版のみとなってしまった週刊アスキーを購入してみたのですが、これもレイアウト固定でしたが特に問題なく読むことができました。

また、マンガ「沈黙の艦隊」の1,2巻が無料で配信されていたのでこれも読んでみましたが、こちらも非常にきれいに表示され、とても読みやすく感じました。マンガの単行本の紙面とはほとんど変わらない画面の大きさなので当然かもしれませんが、スクリーントーンなどもきれいに再現されていて全く支障はないように感じます。ただし、続きも読みたくなったものの、まとめ買いは1万円を超えるので流石に躊躇してしまいました

さてこうなってくると紙の本を買う理由付けというのは何なのかという気にもなってきます。大きな写真やイラストを楽しむようなもの、カラーのものは別として、活字中心の書籍やモノクロのマンガなどはもう電子書籍でいいのではないかと思うようになってしまいました。あえて手元にモノとして置いておきたい、というような思い入れのあるものはありますが、場所を取らず手軽にたくさん持ち歩くことができるのは電子書籍の大きなメリットです。

ただ問題なのは、フォーマットの不統一やDRMです。貸し借りが不便なことと、普段はKindleで読んでも時にはPCの大画面で閲覧したいということもあるでしょう。フォーマットに関してはEPUBというのがオープンな規格としてだいぶ普及しているのですが、肝心のKindleが対応しないのでは統一規格とはいえません。また図書館での貸し出しというのも大きな問題で、いくつかのソリューションはあるようですがまだ決定的なものはないのではないでしょうか。この辺り、私はあまり知識がないところですが、こういった問題がきれいに解決できるまでは電子書籍も未完成なのかなという気がしています。

Kindle Matchbook

誰にも真似できない。

紙の本にはそれならではの良さがあるので完全に置き換えることはないでしょうが、電子書籍も徐々に世の中に浸透してきているのではないでしょうか。iPadなどのタブレットでもアプリを使用して読むことができるのでそれを利用している人も少なくないかと思いますが、専用端末としてはAmazonのKindleのシェアが高いでしょう。そのKindleの人気機種Paperwhiteの新機種が今日発表されましたが、それと同時に驚くべきサービスも発表されました。それがKindle Matchbookです。

Amazonから紙の書籍を購入した場合、それと同じ書籍のKindle版を$2.99, $1.99, $0.99もしくは無料で購入できるというもので、アメリカでこの10月からスタートするとされています。当初は10000冊以上というところからということですが、これは各著者や出版社との交渉が進めばどんどん増えていくものと思われます。

このサービスが凄いのは、「Amazonから紙の書籍を購入した場合」というその前提条件が、1995年の書籍販売事業の開始時点までさかのぼって適用されるということです。それだけの購入履歴を管理しているのは世界中でAmazonだけでしょうから、同じようなサービスを他社が真似しようと思ってもできるものではありません。Amazonに個人情報を握られることに不満を持っている人もいるようですが、これだけのものを見返りに与えられては拒むのも容易ではありません。

このMatchbookに似たようなサービスがあるとすれば、同じくAmazonが今年初めに立ち上げたAutoRipでしょう。CDを購入するとそのMP3版もダウンロードすることができるというもので、これもAmazonのCD販売開始までさかのぼって適用されます。これとの違いといえば、音楽は気に入れば何度も繰り返し聴くものであるのに対し、書籍の場合はよほどの愛読書でもなければそう頻繁に読み返しはしない、ということでしょうか。紙の書籍を読んだ人が電子書籍でもう一度読むかと考えると、実はインパクトほどには大きな影響のあるものではないのかもしれません。もう一つの違いは、AutoRipがMP3というDRMフリーのフォーマットであるのに対し、MatchbookはおそらくDRM付きのKindle専用フォーマットであろうということでしょうか。これはAmazonなりの戦略や出版社との事情にもよるでしょうから仕方ないかもしれません。

これまで私は電子書籍販売の一つの理想形はコンピュータ関連書籍専門の出版社O’Reillyが行っているものだと思っていました。ここではもともと電子書籍は割安で販売されているのですが、紙で購入した書籍を登録すると同じ物の電子版を$4.99などの格安で購入することができるようになります。また、頻繁にセールを行っていて、上手くタイミングを合わせると半額で購入できるので、ついつい買ってしまうのです。さらに素晴らしいのは、対応フォーマットが豊富なだけでなく、DRMフリーなのでどこでも読むことができてしまいます。タイトルにもよりますが、多くの場合Kindleで読めるmobi版もあります。

したがって、総合的に考えてもO’Reillyの書籍はAmazonよりも直接O’Reillyから購入した方が得だと言えるでしょう。しかし、全ての出版社がこのような対応をとることは不可能ですし、出版社ごとにサービスが乱立してしまうのも使い勝手の悪いものになるかもしれません。O’Reillyと同様のサービスは一部の力のある出版社が提供し、Amazon以上のサービスを提供できないところはAmazonに依存するということになっていくのでしょうか。まあしかし日本で同じようなサービスを提供するのはいろいろ課題があってしばらく先になってしまうのでしょうね。Amazon.co.jpでは数多くの書籍を購入していますので、非常に待ち遠しいものなのですが。