義妹がロードショーで観ていて面白かったというので以前から観たいと思っていたNational TreasureをDVDで観ました。徳川埋蔵金スペシャルのアメリカ版のようなものですが、アメリカ独立の頃フリーメイソンの手によってイギリスから守るために隠された財宝を探し出すことに人生を賭ける家系に生まれた主人公が、いくつもの謎を解いてついにその財宝に辿り着く、というアドベンチャー作品です。アクションシーンもありますが、基本的に謎解きの面白さを見せる映画ではないかと思います。拳銃の発砲はありますがそれで負傷する人はおらず、高所から落ちて不慮の死を遂げる者はいても殺される人は一人もいない、というのも当然のように人がバタバタと倒れていくアクション映画が多い中では珍しい方かもしれません。しかし緊迫感のある中でテンポよくいくつもの謎が解かれていくため、展開はスピーディで退屈してしまうようなことは全くありませんでした。

謎解きの最も重要な鍵となるのがアメリカ国立公文書館(NARA)に厳重に保管されているアメリカ独立宣言書です。本当なのかどうかはわかりませんが、ちょっとバカバカしいほど厳しい管理体制で保管されているというのは、歴史の浅いアメリカならではのことなのでしょうか。非常に価値のあるものだということはわかりますが、日本にも同程度の重要文化財はあるでしょうし、それらが防弾ガラスで守られているというようなことはあまりないのではないかと思います。なお、この独立宣言書のほか合衆国憲法、権利章典などはウェブサイトで高解像度のスキャンイメージをダウンロードすることができるようになっており、この点はさすがネット先進国と唸らざるを得ません。

またもう一つ、フリーメイソンの存在もこの映画の重要なファクターとなっています。フリーメイソンは秘密結社と一般には言われていますが、自分が会員であることを隠す必要はなく、自分以外の会員が存命中に会員であることを公表してはならない、という制度だそうです。設立の経緯からして謎の存在ですが、世界中に数多くの会員がいて、日本にも支部(ロッジ)が存在するようですが、その立地を見るとやはり米軍基地の近辺が多いようです。入会には会員の推薦が必要ということなので、なかなか普通の人が入りたいと思ってすぐに入れてもらえるような開放的な組織でないのは確かですね。

この映画を観ていて感じたのは、アメリカの歴史に関する知識がもっと豊富であればより楽しむことができたのではないかということですね。私は無理矢理に年号を暗記させられる中学の授業のせいで歴史が嫌いになってしまったのですが、この歳になってやっと歴史というものの面白みがわかってきたように思います。日本の歴史ドラマを十分に楽しもうと思えばやはり日本史の知識が必要ですし、今回も世界史をもっと真面目に、というより楽しんで勉強することができていればより面白かったのではないかとちょっと悔しいような感じさえしてしまいました。

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