Robots日本ではあまり話題にもならなかった「アイス・エイジ」のスタッフによるアニメーション作品、「ロボットたちが繰り広げる愛と感動の冒険ファンタジー『ロボッツ』」を子供と一緒に観ました。

ロボッツ 特別編
ロボッツ 特別編

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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2005/12/16)

物語の舞台となっているのはロボットの世界で、有機生命体は一切存在しないようです。人物はもちろん全てロボットなのですが、乗り物や消火栓などまでロボットになっていて人格を持っていて、生き物とそうでないものの境が曖昧でなかなか微妙な世界です。我々のこの世界を模しているのでこういう設定になっているのですが、もしも実際にロボットだけの世界があったとしたら、ロボットもわざわざ人間の形はしていないでしょうから完全にファンタジーですね。ロボットや町並みは非常にカラフルになっていて、まさに見ているだけで楽しくなる夢の世界です。

大まかなストーリー展開はありふれたものなのですが、その設定を人間界に当てはめて考えてみると実にあり得ないものです。というのも、ロボットのパーツを供給している会社がグレードアップパーツを売りたいがためにスペアパーツの生産をやめ、そのグレードアップパーツを買えないロボットはスクラップとされて溶融炉行き、ということなのです。つまり、人工臓器を買えない病人は医者の治療も受けることができず、臓器の原料にされてしまうということなのだからとんでもない話です。

そもそも、出産に当たるのはキットを購入して夫婦で組み立てることで、子供の成長はパーツを少しずつ交換していくことなのですが、最初から大人のロボットを作らないというのはある意味新しいのかもしれません。必然性は理解できませんが、この作品はSFではなく子供向けのファンタジーだからあまり考えてはいけないということなのかもしれませんね。当然我が家の子供たちもそんなことには特に疑問を抱いた様子はありませんでしたが、こういう作品に慣れてしまって深く考えることをやめてしまうようになるのは親として大変困ります。ファンタジーが現実的である必要はありませんが、しっかりとした理屈は用意しておいて欲しいと思います。

この作品も最近のアニメーション作品のセオリー通り、声優陣には豪華な俳優を当てています。英語版では主役のRodneyにはEwan McGreggor、あまり出演シーンの多くないヒロインにはHalle Berry、友人FenderにはRobin Williamsといった具合ですが、私は子供と一緒だったので日本語吹き替えでそれぞれ草彅剛、矢田亜希子、山寺宏一の声でした。こんなところにもObi-Wanが…というところだったのにその声が聴けなかったのは残念です。山寺氏は本当に数多くの作品で活躍されていて、至る所でクレジットにその名前を見かけますね。そのほかBigweldの吹き替えはイメージ通りの西田敏行が担当しているのですが、さすがに上手いです。

ということで、あまり褒めていませんが、全体的にはそこそこ楽しんでみることができました。特に面白かったのは、RodneyがRobot Cityに到着してからBigweld Industriesに行くまでに乗る球形の乗り物がダイナミックなピタゴラ装置Space Warpのようになっていたのが映像的に楽しかったというところで、ストーリーとは全然関係ありません…

スペースワープ 10000
スペースワープ 10000

posted with amazlet on 06.03.12
バンダイ (2005/10/29)

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