特に暇を持て余しているというわけではないはずなのに最近映画を見てばかりいるような気がする私ですが、今度はまた私にとっては珍しいコメディというジャンルから「銀河ヒッチハイクガイド」を観てみました。イギリスの脚本家Douglas AdamsがもともとBBCのラジオドラマ用に書いたものを1979年に出版しベストセラーとなったSFスラップスティックコメディ作品を映画化したものです。Douglas Adamsも当初は映画化に関わっていたそうですが、残念ながらその撮影中に亡くなったということで、エンドロールでは「Douglasに捧ぐ」とされています。
とても楽しい作品で、私も一人で観ていて思わず吹き出してしまうシーンもいくつもあったのですが、まず感じたのは「実にイギリスらしい」作品だということです。派手さのない落ち着いた映像と、脚本の面白さで観客を引き込む内容は最近のハリウッド作品にはあまり見られないものではないでしょうか。このところハリウッドの大作を見慣れてしまった私にはかなり新鮮に感じられました。
演じる俳優陣も一流スターで固められているわけでもなく、冴えない独身男風の主人公と絶世の美女でもないのに不思議な魅力を持つヒロインには親しみを感じることができます。このヒロインのTrillianことTricia McMillanを演じているのはZooey Deschanelというアメリカの女優さんなのですが、こうして写真で見ると凄く可愛いですね。私が今まで観た映画には出ていないようですが、今後の出演予定はだいぶあるようなので、どこかでお目にかかることもありそうで楽しみです。もちろんスクリーンで、ですが。
ストーリーの方はバカバカしいながらもそれなりに凝ったものになっていて、ある朝主人公のArthur Dentがバイパス工事のために自宅を取り壊されてしまうのですが、そこへ宇宙船がやってきて銀河バイパスが通るからということで地球が爆破されてしまう、というところから始まります。この時Arthurは実は他の星からやってきていた友人のFord Prefectに助けられ銀河でヒッチハイクすることになり…ということで、「銀河ヒッチハイクガイド」というのはここでガイドブックとして登場する本の名前になっています。
まず面白いのがオープニングで、人間は地球上で最も知能が高いと思っているが実は3番目で、2番目のイルカはこの危機を知っていてちゃんと脱出し、この時人間にも知らせようとしていたのに芸をしているのだと勘違いして気付かず逃げ遅れた、という設定を歌で説明してくれます。では1番目は?というのは最後の方まで明かされないのですが、まあそれは大したことではありません。
それにしても「面白い」というのを言葉で伝えるというのは難しいものですね。いろんなところに笑いがちりばめられていて実に楽しい映画だったのですが、「どこが?」と聞かれても困ってしまいます。ぼやいてばかりのロボットMarvinというのも何とも言えませんし…まあまだの方は一度ごらんになることをお薦めします。