Formula 1どういうわけか私は終盤になって急激に熱意を失ってしまった今年のF1 Grand Prixですが、ついに昨日のブラジルGPでシーズン全戦を終了しました。チャンピオンを2年連続でアロンソが獲得したのは絶好調だった序盤から予想できたことですが、中盤以降アロンソが失速したのかミハエルが勢いを取り戻したのか、終盤にさしかかる頃にはほぼポイントでも並びかけ、最終戦までごくわずかな確率ながらミハエルにもチャンスが残っているという、まさにデッドヒートと呼ぶにふさわしい展開となりました。今シーズン限りの引退を発表したミハエルですが、ブラジルGPでも不運に見舞われながらも最後まで全力でプッシュし続け、完全燃焼で悔いなくF1キャリアを締めくくることができたのではないでしょうか。

我らがSAF1、我らが佐藤琢磨も最終戦では期待もしなかったほどの素晴らしい成績を残し、来シーズンに向けて私たちを希望の光で照らしてくれたのではないでしょうか。当初は前半中にはMidlandの前に出て、今シーズン中にはRed Bull/Toro Rossoと争えるようになりたい、と言っていたかと思いますが、思うように開発が進まず苦しい思いをし続けてきました。しかし、最後のGPでは琢磨が何と10位、MidlandはもちろんRed BullもToro Rossoも前にはいません。これはWilliamsの2台がオープニングラップで消えてしまい、さらにトヨタの2台も早々にリタイアしてしまったということのおかげでもありますが、山本左近と揃って完走を果たすことが出来たということはSAF1チームの力でもありますので、素直に喜びたいところです。SA05で実戦を戦いながら並行してSA06の開発を行わなければならなかった今年と違い、SA07の開発に専念できる来年はさらに良い結果を期待したくなってしまいます。

さて来年はエンジンの開発が凍結されるなど、また改悪のようにも思えるレギュレーションの改定が行われますが、いったいどのようなシーズンになるでしょうか。今年最後の2戦で使われたエンジンのスペックで来年は戦うことになるということですが、とするとSAF1もホンダワークスと同等のエンジンが使えるようになるということなのかもしません。また、タイヤはブリジストンの一社供給体制になり、しかも使えるのは2タイプのみということでタイヤ選択による差というのがほとんど見られなくなります。FIAはイコールコンディションでのドライバーの戦いを見せたいということのようですが、最先端のテクノロジーの競争というのもF1の一つの魅力だと思うので、そんなワンメイクに近い状態のレースが果たして本当に面白いものになるのかどうか、私には少々疑問です。

まあそうはいっても、とにかく琢磨の活躍をまた見ることができるようになれば、きっと私もまた熱心に応援できるようになるのでしょう。15年のキャリアの間に通算91勝、7度のシーズンタイトルを獲得したミハエル・シューマッハという偉大なドライバーが舞台を降りた来年、誰がディフェンディングチャンピオンのアロンソを脅かすことになるのかも楽しみです。それはライコネンなのか、あるいはまた新たな才能が現れることになるのか…

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