Slashdot.jp経由毎日MSNの記事ですが、「大学工学部の志望者がここ10年で半減し、存亡の危機に立たされている」のだそうです。これに対し関西大、早稲田大、東京電機大では学部を再編するなどして志望者の獲得に乗り出している、というのが記事の内容です。

同じようなことは毎年ある時期になると言われているような気がしますが、10年で半減ということになるとさすがに放置してはいられないということになるでしょう。私も理工学部の出身ながら付属高校からの内部進学なので受験とは無縁だったのですが、10年以上前の私の時代でも人気薄だった理工には「卒業できれば行ける」という状態でした。本人の志次第ということになりますが、当時から「勉強は大変なのにメーカーに就職すると給料は良くない」ということで敬遠されていました。今ならそれに拍車がかかっているはずということは容易に想像ができます。

実際、私は理工学部を卒業し、電機メーカーに就職してエンジニアとなって今に至るわけですが、確かに特に収入がいいわけではありませんが、周りを見回してみても必ずしも安月給というわけでもないのではないかと思います。日々の生活が苦しいというわけでもなければ、その収入なりの暮らしに慣れてしまえばどうということはありません。もっと小遣いがあれば…と思うこともしばしばありますが、どれだけ収入があってもそれなりに使ってしまうはずなので、完全に満たされた暮らしというのはよほどの収入がなければ無理なのではないか、と思うことにしています。

それよりも、技術者だけが味わうことのできるものづくりの喜びというものがあります。理系学部を出てメーカーに就職しても営業などに回されてしまう人もいますが、文系学部を出てエンジニアになるというのは一般には考えにくいことですから、理系の特権と言ってもいいものなのではないでしょうか。それも必ずしもクリエイティブなものばかりではありませんが、日本の産業の根幹を担っているのだと自負することはできるでしょう。

もちろん文系の方々を見下すようなつもりは全くなく、例えば私に営業職が務まるとはとても思えませんので敬意は忘れていません。しかし、私自身が理系の道を選択してよかったという思いでいるので、私の子供達のどちらかには同じような道を歩んでもらいたいと思っています。そのために図鑑を買い与えたり科学博物館に連れて行ったりしているわけですが、果たして親の思い通りに育ってくれるものでしょうか。反面教師のようになってしまわなければいいのですが…

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