3D Connexion私は以前からコンピュータと人との接点であるマンマシンインタフェースはPCを使う上では重要だと思っていて、キーボードやトラックボールなどにはこだわりを持っているのですが、職場で使うものもDELLのPCに付いてくる安物ではとても我慢できず、今はHHK LiteKensington Expert Mouseを使用しています。まあ、Expert Mouseのボールはビリヤード球に交換してしまっているので職場の人は同じものとは思わないかもしれませんが、わざわざビリヤード玉と同じサイズに設計するなんていう遊び心も楽しかったりします。

それはさておき、そんな私が久しぶりに心躍らせ胸ときめかせてしまうような新しいデバイスが先日発表されたのですが、それが3D ConnexionというLogitech(LogitecではなくLogicoolの方)傘下の3D入力デバイス専門の会社から発売のSpaceNavigatorという3Dコントローラです。

3Dconnexion 3Dマウス SpaceNavigator PE (Personal Edition) SNPE
メーカー:3Dコネクション
3Dコネクション (2006/12/08)
ISBN/ASIN:B000LB41BM

私が最初に知ったのはEngadgetの本家の方の記事でしたが、その後Engadget Japaneseをはじめ日本のニュースサイトなどでも取り上げられるようになり、その情報によると日本でも12月8日からAmazon.co.jpで購入できるようになるということだったのでその日を待ち続け、結局実際に購入手続きができるようになったのは10日の晩になってからでしたが、すぐに申し込んでしまいました。

3Dコントローラというのは何ができるものなのかといえば、本来はCADや3Dモデリングツールなどでの3Dデータの入力を支援するデバイスで、つまみの操作により前後左右上下のスライド、傾き、左右のひねりといったXYZ軸それぞれの回転と平行移動の入力が可能なものです。これによりモデルを回転・移動させたりズームしたりという入力がスムーズに行えるようになるのですが、それにはそれぞれのソフトウェアの対応も必要になります。私はCADやモデリングツールなどは使用していないのですが、このSpaceNavigatorではGoogle SketchUpと、なんとGoogle Earthが対応ソフトウェアに含まれています。SketchUpの方はモデリングソフトなのでいいとして、Google Earthというのはなかなか意外でとても興味をかき立てられます。

ということで、私の手元にもようやく今日届きました。例によってAmazonの梱包は一見無駄に思えるほど大きな段ボールになっているのですが、その中に入っていたのは一辺15cmほどの四角い箱です。この小振りな箱ながら手に持ってみるとズシリと重く手応えがあるのですが、箱から取り出してみたSpaceNavigator本体は台座部分のステンレスがその重みの元になっていて、非常に高級感があります。私の机の上にはPowerMateも並んでいるわけですが、期待ほど高級感のなかったPowerMateに比べるとその存在感は圧倒的なものです。これは一回り大きなサイズによるものだけではないでしょう。

PCに接続しドライバをインストールすると本体のノブの周りに青色LEDの光が輝きますが、これはお約束とはいえもはやあまりありがたいものではなくなってきましたね。今となってはむしろ赤やオレンジ色の方が高級感はあるかもしれません。とはいえ黒い部分とその青く光る部分とのコントラストはそう悪いものではありません。

私が持っている対応ソフトウェアはGoogle EarthとSketchUpだけなので、早速これらを試してみました。Google Earthはノブの動きにあわせて自由自在に地球上を飛び回ることができ、今までも楽しかったものがさらに気持ちよく操作できるようになります。今まではマウスやキーボードの操作ではどうしてもデジタル的な操作になってしまい、必ずしも思い通りというわけにはいきませんでしたが、SpaceNavigatorがあればアナログで、しかも複数の軸を同時に操作することができてしまうので「ここをこの角度で見たい」と思った通りに操作できてしまうのです。私はこれだけでも非常に満足してしまいました。SketchUpの方はSpaceNavigator本来の使い方になるわけですが、視点の移動などが直感的に行えるようになり、モデリングの楽しみが飛躍的に向上するのではないかと思います。

問題点は対応ソフトウェアがどうしても専門的で高価なものに偏ってしまうことで、趣味で使えるようなものがGoogleのものだけになっているということなのですが、3D ConnexionのウェブサイトではSDKの配布も行われており、意欲と技術とアイデアさえあればオリジナルのソフトウェアなどを対応させることが可能です。私はWindowsプログラミングの知識がないのですぐに何かを作ってみるというわけにはいかないのですが、他力本願ながらきっと誰かが素晴らしいものを作ってくれるのではないかと期待しています。簡単そうなところではこれでiTunesを操作できたらいいのではないかと思ったりもしているのですが…

それにしてもこれは久々に持つ喜びを感じさせてくれる、素晴らしいデバイスでした。これで1万円弱という価格を高いと取るか安いと取るかは人それぞれですが、私は実際に手にしてみてこれならかなりお買い得なのではないかと思います。

関連投稿