私の家では特にこだわりもなく、単に「3年契約してくれたら1年分無料でいい」ということだったというだけで毎日新聞を購読しているのですが、私の実家でも同じく毎日を購読しているので、この正月の帰省の間も毎日新聞を読んでいました。

その毎日新聞で今年の元日、1面から3面までを堂々と飾っていたのは「ネット君臨」という妙なタイトルの付いた特集記事で、ネット社会を批判するような記事でした。主に批判の対象となっているのは2ちゃんねるで、サブタイトルには「難病児募金あざける『祭り』」と付けられていました。正月早々から大々的にネット批判とはよくもまあ…という印象ですが、これはきっと今年の毎日新聞社のスタンスを表明しているものなのでしょう。

具体的な考察はDigital Town on the webに詳しいのでぜひ一読頂きたいのですが、結局「新聞」という既存の紙のメディアにとってはインターネットという新しいメディアは競合相手・敵でしかないので、当然の如く攻撃対象になっていることに注意して読む必要があります。ある程度以上インターネットを利用している人であれば、あまりにあからさまな攻撃にうんざりすることになるかもしれませんが、そうでない多くの人がこの記事を鵜呑みにして「ネットって怖い」などというように思ってしまうのが心配です。

この記事を書きながら私の両親には簡単に説明して理解してもらえたようですが、基本的に公正なマスメディアというものは存在せず、新聞記事やテレビのニュースにしても編集の手が入っているわけで、全ての情報には何らかの操作が入っているということを意識して取捨選択する必要があります。しかし、誰もがそのような能力を持っているわけではないので、誰かの意思によって大衆の思想が操作されてしまう可能性があるというのは恐しいことです。今回の毎日新聞の記事にしても、何も知らない人は「募金は正しいことで、ネット社会はねじ曲がっていて間違っている」というように思い込まされてしまうのではないでしょうか。

マスコミは「ネット社会」というものを、現実社会とは乖離した仮想的な存在としておきたいようですが、実際にはインターネットで発言している人も現実的に社会生活を行っている人間であり、単に埋もれてしまいがちな少数派の声も表に現れやすくなっているのに過ぎないのです。2ちゃんねるやミクシィでの発言も、ただ「匿名だから言いやすい」というだけのことで、これまでも思ってはいたけれど言う場所がなかったというだけのことなのです。

今更こんな主張をしてもこの記事を読んでいるような人にとっては釈迦に説法かもしれませんが、ここもまた小さな私の声を表明する場所なので許していただきたいと思います。マスメディアに属する一部の人だけでなく、ちょっとした意思があればこうして見知らぬ人々に意見を伝えることができる、というのもインターネットの偉大な功績の一つなのです。

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