The Ting Tings21世紀にもこういう音は必要です。

ちょっと今さらな感じもしないでもないのですが、しばらく前から日本でも人気の出ているイギリスの2人組のインディーポップユニット、The Ting Tingsのメジャーデビューアルバム”We Started Nothing“を聴いてみたところ、何度か聴いているうちにとてもいい感じになってきたのでご紹介することにしました。

We Started Nothing
アーティスト:THE TING TINGS
SONY MUSIC UK (2008/05/18)
ISBN/ASIN:B0018BF1M2

日本でもそれなりに有名になってきているのではないかと思うのですが、どういうわけか未だにWikipediaに日本語の記事が掲載されていないのですが、英語版によるとThe Ting TingsはイギリスはManchester近郊のSalford出身の、Jules De MartinoとKatie Whiteの男女2人組です。The Ting Tingsとしての活動は2年ほどですが、それまでにもそれぞれのキャリアがあるようです。

曲の方はシンプルな音作りながらリズムが心地よく、一緒に口ずさみたくなるような親しみやすいメロディが魅力的です。最新の技術による重厚な音作りもいいですが、音楽そのものの良さというのはそれだけではないはずで、こういうシンプルな音楽も必要ですし、これはこれで堪らない魅力を持っているものです。

一般向けにシングルカットされているのは”That’s Not My Name / Great DJ“, “Shut Up And Let Me Go“の2枚3曲で、あとは”Fruit Machine“という曲がライブ会場でビニールのレコード500枚限定で売られたそうですが、これらの曲はいずれもキャッチーで自然に身体が動くような楽しい曲です。また、私は”We Walk”という曲もなかなか気に入りましたが、ちょっと単調なところもあるのであまりシングル向きではないのかもしれません。

ちなみに日本語表記では「ティンティンズ」となりますが、Katieがどこかのインタビュー記事で「こんな卑猥な名前のバンドを応援してくれてありがとう(笑)」というようなことを言っていたので、彼らもそれを知っているようです。まあ彼らはともかく、日本サイドのプロモーション担当者は非常に悩んだことでしょうが、こういうカッコいいバンドなので笑いものにならずに済んだというところなのでしょうか。仮にアイドルグループなどであれば問題は深刻だったでしょうね。

それにしてもこういうバンドがヒットチャートを賑わしているということでイギリスのポップス界もまだまだ健在、アメリカにも負けてはいないと感じさせてくれますね。それほど人口が多いわけでもないのに音楽界ではこうして確固たる地位を保っているというのも大した物ですが、まあ英語が実質的な世界共通語であるということも大いに関係しているのでしょうか。他の国のバンドでも世界的なヒットになる曲は大抵英語ですからね…そういう意味では”Rock Me Amadeus“なんていう曲は凄かった…っていうわけではありませんね。