Hellboy II: The Golden Armyやはり万人向けではないようですが。

ハリウッド映画のうちの1ジャンルとしてすっかり定着したアメコミ原作ものですが、「スーパーマン」や「バットマン」、「スパイダーマン」など日本人にも昔から馴染みのあるヒーローだけでなく、「X-Men」や「ファンタスティック・フォー」など好きな人だけが知っていたようなヒーローも映画化されることで一般にも知られるようになり、日本でもそれなりのヒットを収めています。しかし、これらは全てDC ComicsMarvel のヒーローで、その他のコミックスとなるとなかなか難しいのかもしれません。

今回はDark Horse ComicsというDC、Marvelに次ぐ三番手の位置にあるアメコミ出版社の”Hellboy“の実写映画化第2作である「ヘルボーイ/ゴールデンアーミー」を観たのですが、このDark Horseからは”300“や”Sin City“の原作も出ていて、また”Star Wars“のコミック版もこちらから出ているようですし、実はそれなりに知られていてもおかしくないようです。でもいずれの作品も全体的にダークなムードに包まれていて、そこが日本人向けではないのかもしれません。

ヘルボーイ ゴールデン・アーミー リミテッド・バージョン [DVD]
監督:ギレルモ・デル・トロ
UPJ/ジェネオン エンタテインメント (2009/05/22)
ISBN/ASIN:B001WBXL2A

ということで、意外に前作が長男に気に入られたようなので2作目も一緒に観てみたのですが、主人公が悪魔の子供であるだけにオカルトチックな設定はもちろん変わりありません。その主人公Hellboyの頑丈な身体と怪力ももちろん相変わらずですが、ヒロインのLizが前作とは打って変わってかなり強い女性となっているので、その分前作よりコミカルな面が強調されて感じるかもしれません。

また古代のエルフの王国の王子が登場したり、存在がエクトプラズムと化してガス状となった上司がリーダーとして着任したり、また多数のトロルが人間界に紛れ込んでいたりとさらに訳のわからない世界になっていますが、4年間で前作よりも技術が進歩したのか、あるいは単に前作より制作費がつぎ込まれた結果なのか、特殊効果に磨きがかかって映像的に破綻は見られませんでした。

まあこの手の映画で理屈っぽいことを言っても仕方がないのであまり言いませんが、宣伝費がつぎ込まれて有名なだけの下手な大作よりもよほど楽しめるのは間違いありません。ただしそれにはちょっと条件があって、こういったオカルトチックな世界観が好きであること、というのが前提になってしまいます。とはいえ、それが好きでない人はポスターやDVDのジャケットのHellboyの赤い身体と切り落とされた角を見ただけで視界から消し去ってしまうでしょうから、無理に見せない限り問題ありませんね。それにしても私がオカルト好きになったのはいったい何がきっかけなのか…