FTF.appやっぱりこういう時代ですね。

私が今サンアントニオなんていうところになぜ来ているのかというと、アラモ砦やリバーウォークを見たかったからでもなく、TEX-MEXを本場で食べたかったからでもなく、またもちろん暑いところが好きなわけでもなく、Freescale Technology Forum Americas(FTF)という半導体メーカーのカンファレンスに参加するためだったのでした。このカンファレンスは小規模なものを日本のほか何ヶ所かでも開催するのですが、やはりやはり本拠地である米国で行われるものは全く桁違いの規模です。日本のものは各産業分野で各4コマずつくらいのセッションが行われるだけですが、こちらのものは並行して20以上のセッションが行われている時間帯もあり、また期間も月曜午後から木曜午前までというまるまる3日間ぶっ通しなので、全く別物と言っていいかと思います。しかし、そうは言っても旅費や不在の間の業務など企業にとっての負担も大きいので、日本からの参加者は10名もいるかどうかというところでしょうか。そんな中で派遣してくれる勤務先と特に上司には感謝で頭が上がりません。

私は今回の参加が2007年以来の3回目なのですが、昨年までのフロリダ州オーランドから場所を移しての開催となりました。移動した理由はよく分かりませんが、Freescaleの本社がサンアントニオから100kmあまりとほど近いオースティンにあるということで、開催側の利便性を考えたものでしょうか。まあ、いつも同じところばかりというよりも常連にとってはいいかも知れません。

さて、前回私が参加したFTFではnTAGというデバイスが名札として使われていて、ちょっとした情報のやりとりが行われるようになっていました。しかし、今ならそんなことはスマートフォンやiOSデバイスでやった方がいいんじゃないか、と思うところで、Freescaleも今回はその通りのことを行ってきました。会場で受付を済ませると、その隣りのカウンターで専用のアプリケーションがインストールされたiPod touchが貸し出され、セッションスケジュールの閲覧、参加するセッションの登録・変更、参加者同士のメッセージのやり取り、アンケート調査などあらゆることがこのアプリで行われるようになっています。

会場内はどこでも無線LANが使えるようになっていて、このiPod touchでも随時情報のやりとりが行われるようになっています。特にセッションスケジュールは変更になることがあるので、それも常に最新の情報が閲覧できるというのは便利で良いと思います。しかし、2000人前後はいると思われる参加者全員が一斉に無線LANで接続するため、その容量がかなり逼迫してしまっているようで、回線の状態が少々不安定なのが残念なところです。特に各セッションが終了する時間帯には顕著で、接続エラーの表示を何度も見ることになりました。

またその不安定さが特に大きく影響しているのがメッセージの機能で、ちゃんと送られたのか、また相手に届いたのか、自分はちゃんと受信できているのかということが心配で、全く安心して利用することができず非常に残念です。iOSデバイスなので設定さえすれば日本語などの入力も全く問題ないだけに、惜しいものです。これだけの負荷は予想はしていたとしても実際に確認することは出来なかったのでしょう。

さらに名札に印刷されているQRコードをカメラでスキャンして入場者の管理に使っており、そのQRコードをこのアプリでスキャンすると名刺交換のようなことができるようなのですが、残念ながら私にはそういう相手がいないので試してはいません。そういうコミュニケーションの機能はこれまでも色々トライされているのですが、こちらの人にとっては欠かせない機能なのでしょうか。日本人なら名刺があればそれでいいと思ってしまいますけどね。

他にもカメラで撮った写真をアップロードするギャラリーなどもありますが、そんなものまで使いこなしている人がどれだけいるのかも疑問ですが、さすがテクノロジー企業のイベントだけあって使い方がわからず困っているという人はいないようです。ちなみにもちろんこのiPod touchはプレゼント…ではなく、終了時にTシャツと交換で返却することになっていて、貸出時にはちゃんと誓約書にサインもさせられました。それでも一部は持ち帰られたりしそうな気がしないでもありませんが…まあすぐバレるようになっているのでしょうね。