Sony Ericsson選択の自由。

「健康のため」という名目で私はここ何年か自宅から職場まで30分ほど歩いて通勤しているのですが、毎日特に変わり映えのない同じ道を30分も歩いていると飽きてしまうので、音楽を聴きながらということになります。

音楽の再生にはiPhoneを使用していますが、ヘッドフォンには先日までMotorola S305というのを使用していて、「ケーブルがないというのはこんなにも身軽なものなのか」とBluetoothのありがたみを実感していたのですが、一体型の製品の宿命としてどこか一箇所が壊れてしまうと全てダメになるというのがあります。ヘッドフォンの耳に当たる部分には柔らかいウレタンフォームがあるのですが、これが劣化して破れ、プラスチックの部分が直接耳に当たるようになってしまいました。最初に手にした時からここが弱点だと思っていた所がやはり壊れてしまったのですが、自分で交換できるような構造にはなっていないので製品自体を諦めるしか無いようです。

ということで買い替えを考えたのですが、また一体型の製品を購入して同じ思いをするのも癪ですし、S305自体も特に音質がいいとうわけでもなかったので気に入ったヘッドフォンを使用したいというのもあって、別のヘッドフォンを接続することができるBluetoothレシーバを購入することにしました。そういった製品もいくつかあるのですが、その中で選択したのはSony EricssonMW600/Bというものです。

Sony Ericssonという携帯電話メーカーが販売していることからもわかるように、携帯電話と接続して使用することを目的とした製品なのですが、保証はないもののiPhoneにも問題なく接続し使用することができます。これはBluetooth規格に準拠していてロゴの交付を受けていれば当然と言えるはずなのですが、何か別の問題があっても「相性」という言葉でごまかされてしまうことがあるので不安を感じている人もいるでしょう。少なくとも私のiPhone 3GSとこのMW600との接続はかなり安定しています。

製品のサイズとしては、長さ6cm程度と非常にコンパクトで、重さもわずか13gということで裏面のクリップでシャツなどに留めても全く気にならない軽さです。黒または白一色のボディにSony Ericssonの緑色と銀色のロゴが目立ちますが、これは好き嫌いの分かれるところでしょう。機能としてはオーディオの再生・停止と選曲、電話の通話の他に、FMラジオが内蔵されているというのが特徴でしょうか。またBluetoothの接続機器を3つまで登録できるというのはちょっと便利な点としてあげられるでしょう。

このMW600には有機ELを使用した小さなディスプレイがついていて、接続状態や音量、そして曲名などを表示することができるようになっています。曲名の表示にはBluetoothのAVRCPというプロファイルの1.3以上に対応している必要があり、現状のiOS 4ではこれに対応していないので表示できないのですが、iOS 5では対応するようになるという情報もあるのでこれに期待しているところです。まあ、胸元にクリップで付けてしまうと余り見ることもないかなという気はしないでもありませんが。

肝心の音質については若干低音が弱いような気がしますが、不自然さやノイズなどは全く無く、受信感度が高く音声の途切れが無いためとても快適です。一応インナーイヤーヘッドフォンも付属してきますが、端からロクなものではないだろうとタカをくくって使用しておらずPhilips SHE9700で試してしまったので、実は付属品とバランスが取れるようになっていてさらに絶妙な音で鳴るとか…いうことはないでしょうね。

ということで、基本的には満足しているのですが、わずかとはいえケーブルが必要なのが全く無いのとは大違いだということも実感してしまいました。長いケーブルでiPhone本体に接続する必要がないというのは良いのは間違いないのですが、どこにクリップで留めるかによって自由度が制限されることがあり、今は試行錯誤といったところでしょうか。そのうち「ここだ!」という所が見つかるといいのですが。